
ある閉ざされた雪の山荘で
講談社文庫
東野 圭吾
1996年1月31日
講談社
693円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
1度限りの大トリック! 劇中の殺人は真実か? 俳優志願の男女7人、殺人劇の恐怖の結末。 早春の乗鞍高原のペンションに集まったのは、オーディションに合格した男女7名。これから舞台稽古が始まる。豪雪に襲われ孤立した山荘での殺人劇だ。だが、1人また1人と現実に仲間が消えていくにつれ、彼らの間に疑惑が生まれた。はたしてこれは本当に芝居なのか? 驚愕の終幕が読者を待っている!
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(無題)
starstar 2.5 2024年05月15日
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さらっと読める一冊だが今ひとつ。捻くれているので綺麗事でまとめたなぁと思ってしまった。久我が惚れているはずの由梨江を含め周りの人間を見下し、自分は高尚な人間だと思っている様子が気持ち悪い。雨宮、由梨江、特に温子の言動は人間性を疑う。報いを受けてほしい。
孤立した雪の山荘という設定で舞台稽古を行うという状況、メモによって事件や手がかりが示されるところ、真相の三重構造、地の文が「私」に変化する場面はおもしろかった。
ノックスの十戒への言及や新本格に対する揶揄的表現は、著者の名探偵天下一大五郎シリーズを彷彿とさせるものがある。
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(無題)
starstarstar 3.6 2025年05月05日
star
クローズド・サークル(外部との連絡が絶たれた閉鎖空間)を舞台にした本格ミステリでありながら、演劇というメタ的な要素を巧みに取り入れた非常にユニークな作品です。雪に閉ざされた山荘、密室、連続殺人……という典型的なシチュエーションの中で、登場人物たちは「役」を演じている――という設定が、この物語の大きな仕掛けになっています。
読み始めるとまず驚くのは、「これは殺人劇のリハーサル」という導入です。読者は“フィクションの中のフィクション”を見せられているような感覚になりますが、物語が進むにつれ、「どこまでが演技で、どこからが現実なのか」が曖昧になり、緊張感が高まっていきます。演技としての殺人と、現実の殺人が入り混じる展開は、まさに“嘘の中に潜む真実”を描き出しており、東野圭吾らしい論理的な構成とトリックの妙が光ります。
また、演じることの意味、役者としての本質、そして「人を欺くこと」と「真実を暴くこと」の紙一重な関係性も、物語の核として機能しています。最後には、すべての伏線が鮮やかに収束し、思わず「そういうことだったのか!」と膝を打つような快感があります。
本格ミステリのフォーマットに、心理劇とメタ構造を組み合わせたこの作品は、古典的でありながらも新しさを感じさせる、知的な一冊です。シンプルなトリックながら、構成の妙と設定の巧さで最後まで読者を飽きさせません。
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(無題)
映画を観てからの原作読み。ペンションに集められたオーディション合格の役者7人。ここで招集者の東郷から出された設定は「閉ざされた雪山の山荘で起こるアクシデント」。外部と連絡すると合格キャンセル。しかたなく参加する7人に降りかかるアクシデントとは、三泊四日の間に起こる殺人。これは単なる設定なのか、それとも本物の殺人なのか。最後に明かされる真実。一人称と三人称が混在する設定は斬新。エンドシーンも悪くない。でも釈然としない部分が残り、残念。
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