
平の将門
吉川英治歴史時代文庫 吉川英治歴史時代文庫 46
吉川 英治
1989年5月9日
講談社
1,012円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
将門は著者の最も食指を動かした人物の1人である。反逆者としての歴史の刻印を除きたい気持もあったが、純粋で虚飾のない原始人の血を将門にみたからだ。都にあっては貴族に愚弄され、故郷(くに)では大叔父国香に父の遺領を掠められ、将門はやり場のない怒りを周囲に爆発させる。それは天慶の乱に発展し、都人を震撼させる。富士はまだ火を噴き、武蔵野は原野そのままの時代だった。
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