椋鳥日記

講談社文芸文庫

小沼丹

2000年9月30日

講談社

1,320円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

ライラックの蕾は膨らんでいても外套を着ている人が多い四月末のロンドンに着いた主人公は、赤い二階バスも通る道に面した家に落ち着く。朝早くの馬の蹄の音、酒屋の夫婦、なぜか懐かしい不思議な人物たち。娘や秋山君との外出。さりげない日常の一駒を取りあげ、巧まざるユーモアとペーソスで人生の陰翳を捉え直す、純乎たる感性と知性。ロンドンの街中の“小沼文学の世界”。平林たい子賞受賞。

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