柔らかな頬
桐野夏生
1999年4月30日
講談社
1,980円(税込)
小説・エッセイ
「現代の神隠し」と言われた謎の別荘地幼児失踪事件。姦通。誰にも言えない罪が初めにあった。娘の失踪は母親への罰なのか。四年後、ガン宣告を受けた元刑事が再捜査を申し出る。三十四歳、余命半年。死ぬまでに、男の想像力は真実に到達できるか。
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もこりゅう
カスミの漂流はここから始まったのだった。
1994年8月 「現代の神隠しか 深まる謎 有香ちゃん失踪事件」 私はたった1人でここにいる。有香もたった1人でどこかにいる。 怒りはやがてとてつもなく大きな悲しみに変わっていった。カスミは石ころだらけに岸辺に突っ伏して号泣した。 カスミの漂流はここから始まったのだった。(本文より引用) 結局は真相がわからないまま終わる。が、いろいろな人々と再会し新たな真相がわかったり、当時のその人の気持ちなどが読んでいておもしろい。顔が見えない犯人がとても怖い。最後の2行がいろいろと波紋を呼んでいるんだとか。自分で犯人を予想したりするのも楽しむ方法としてはなかなかだと思う。
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