麦の海に沈む果実

Mephisto club

恩田陸

2000年7月31日

講談社

1,980円(税込)

小説・エッセイ

「ここに三月以外に入ってくる者があれば、そいつがこの学校を破滅に導くだろう」-湿原の真中に建つ全寮制の学園に、二月の終わりの日に転入してきた水野理瀬。彼女を迎えたのは、様々なしきたりや、奇妙な風習が存在する不思議な学校だった。彼女と学校生活を共にする仲間、「ファミリー」もそれぞれに謎を抱えていた。功は、閉ざされたコンサート会場の中から失踪し、麗子は、湿原に囲まれて外に逃げ出せないはずの学園から消えうせていた。残りのメンバーは、麗子はすでに死んでいるのではないか、と校長につめよる。それに対し、校長が提案したのは、麗子の霊を呼び出す交霊会の実施だった。その場で理瀬に奇怪な現象が襲う。「三月の学園」での奇妙な学園生活を送る理瀬の隠された秘密とは。

本棚に登録&レビュー

みんなの評価(5

starstarstarstar
star
4.1

読みたい

18

未読

1

読書中

0

既読

385

未指定

23

書店員レビュー(0)
書店員レビュー一覧

みんなのレビュー (1)

たか

「麦の海に沈む果実」 読了

starstarstarstarstar 5.0 2020年10月17日

北国の中高一貫の全寮制の学園で次々と起こる不可解な事件。周りを湿原に囲まれ外界とは隔絶した陸の孤島、湿原の海に浮かぶ三角形の青い丘にある元修道院だった学園はフランスの海辺の修道院を思い起こさせる。 この学園では「三月以外に入ってくるものがあれば、そいつがこの学校を破滅に導く」と言う伝説がある。主人公の理瀬は何故か「二月の最後の日」に転入してきた。何故理瀬だけが·····、深まる学園の謎、疑心暗鬼な少年少女、その理由が徐々に解かれていく。 ミステリアスな学園での生活は「ハリーポッター」の「ホグワーツ」を思わせる。華やかで楽しげな宴、そして一変するダークな雰囲気、常にモヤモヤが付きまとったまま進むストーリー。 理瀬をはじめ魅力的な登場人物と世界観にいつのまにかグイグイと引き込まれてしまった。 予想もしない結末、理瀬はどうなってしまうのか?不思議でダークな学園ミステリー。

全部を表示
Google Play で手に入れよう
Google Play で手に入れよう
キーワードは1文字以上で検索してください