矢野 隆

2014年5月15日

講談社

1,650円(税込)

小説・エッセイ

少年時代を独り野生児として育った虎が、ある日村人に捕まってしまう。その窮地を四郎という少年に助けられる。天草四郎と虎の出会いだった。そのころ、島原と天草の切支丹に対する迫害は苛烈を極め、公儀への反抗が企てられつつあった。他方、老中・松平信綱は、三代将軍・家光の治世に不安を抱いていた。江戸に幕府が開かれて三十有余年、天下は徳川家の下に本当に治まっていると言えるのか。信綱の心の中に潜む闇が蠢く。 森で育った虎は幼いころに母親を亡くし、独り野生児として生き抜いていた。食料を求めて里に出没するようになり、とうとう村人に捕まってしまう。なぶり殺しにされかけたところを四郎という少年に助けられる。そう、それが天草四郎と虎の出会いだった。同じころ、島原と天草の切支丹に対する迫害は苛烈を極め、四郎の父・甚兵衛らを中心に公儀への反抗が企てられつつあった。他方、知恵伊豆と呼ばれる、老中・松平信綱は、三代将軍・家光の治世に不安を抱いていた。江戸に幕府が開かれて三十有余年、天下は徳川家の下に治まっているが、それは表面的なものであって本当に治まっているとは言い切れない。信綱の心の中に潜む闇を、将軍家剣術指南役の柳生宗矩は見透かしていた。「幕府は乱を欲している」。恐るべき謀議が交わされる。──父の思惑に踊らされ切支丹の旗頭にされた四郎、何も知らず四郎の護衛役となった虎、幕府の箍を締め直そうとする信綱。三人の間で、時代が大きく動こうとしていた。

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