季節のかたみ
講談社文庫
幸田 文
1996年6月15日
講談社
770円(税込)
小説・エッセイ
今朝の雲はもう居ません。その代り風が訪れてくれます。季節の移り変りを見るのが、私は好きです。なにより有難いのは前向きの心でいられることでしょうか。時の移ろいを瑞々しい五感がキリリと掬いとった名篇。「くくる」「壁つち」「台所育ち」…失った暮しや言葉の情感が名残り惜しく懐しく心にしみる一冊。
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くくる
幸田文の随筆集。みずばち==おまえに水が作れるか、と叱られては出来ませんと謝るしかない。自然と共に生きた世代の形見だと思う。 11の月に寄せた『くくる』から「六月はうるおう月、濡れそぼつ月、私は好きだ」
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