勝ち残る!「腹力」トレーニング
講談社+α新書
小西浩文
2010年8月31日
講談社
921円(税込)
美容・暮らし・健康・料理 / 新書
身体を鍛えれば、筋力どころか心も鍛えられる。心まで鍛えられる奥義。
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(無題)
本書は筋肉本ではない。確かにタイトルは腹筋では無く腹力(はらぢから)となっている。ところがおっちょこちょいな私のこと、表紙の筆者近影、大胸筋が盛り上がり、ペッタンこの腹回りを見て、内臓脂肪減少トレーニングと思い込んでしまった次第。筋トレと有酸素運動で脂肪燃焼させるのがダイエットの王道であるが、最近では一向に数値が下がらない我が家の体重計に嫌気がさしていた私は、目次を見ただけで目新しいトレーニングであるかのように思い魅力を感じてしまった。 筆者が本書で取り上げている腹力とは、古くから言われてきた言葉では胆力であろうと思われる。臍下3寸の丹田に気を漲すトレーニングを呼吸法から食生活、日常習慣や筋トレまでに渡って伝授する。ただし、そのメソッドは登山家の筆者が登山経験のなかで培ったヨガや太極拳、古武道などから引き写した断片的で根拠が不明瞭なもので、首をかしげざるを得ないところも見受けられる。また、現代の若者を著者が言うところの「腹力」が無い、と決めつけるのも硬直した大人を見るようで、読んでいて気持ちの良いものでは無い。 一方では8000m峰に無酸素登頂する著者ならでは、の一節も散見された。幾つか紹介すれば、遭難死した登山者のザックには食料や衣類が残されているのが普通であるという。これは、万策尽きて死んでゆくので無く、その前に心が折れてしまいその結果、死を受け入れてしまうのだと著者は分析している。また、案外知られていない事として、遭難保険についても書いている。遭難した時、警察の捜索は無料だがそれ以外の捜索隊には日当が支払われるし、ヘリコプターのチャーター費用は実費が家族に請求される。その費用は1日あたり百万円ほどになる。このリスクをシェアする保険があるのだが、登山のベテラン程、保険に加入していないのだという。慣れによる傲慢さを戒めている。さらには、夏山のメッカ、毎年色とりどりな数百張のテントで賑わう一帯は、男女とも野性に帰って性の競演が繰り広げられるという。 山登りに全く縁のない私には、こんな事柄をとても興味深く読んだが、命をかける登山を繰り返してきた人ならではの心に響く言葉は、残念ながら聞くことは出来なかった。本書は、生死をかけた修羅場を潜り抜けた人生の先達者が、若者に人生訓を垂れる形態をとっている。この程度の事を今の青年は座右の銘とする程、薄っぺらな筈が無いと思った。
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