儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇
講談社+α新書
ケント・ギルバート
2017年2月21日
講談社
924円(税込)
小説・エッセイ / 人文・思想・社会 / 新書
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(無題)
外人による嫌中・嫌韓本である。「アメリカ人がそこまで言うか?」の意外性と「そこまで言ってくれてありがたい」との思いが、本書の支持率を高いものといているのだろう。それにしても、著者の立ち位置はバリバリの極右である。もっとも、著者はモルモン教の宣教師として来日した事を考え合わせれば、体制保守派なのは至極当然とも言える。 かつて日本は2地域を植民地支配した。朝鮮半島と台湾である。戦後、両地域とも日本の支配を離れて独立を果たした。戦後70年を経て韓国と中華民国との対日感情には、天地の隔たりがあるのは衆目の一致するところだ。台湾は大変に親日的であるのに対して、韓国の反日感情には目を覆いたくなるものがある。当時、同じような植民地政策をとったにも関わらず、このような大きな差が生じたのは何故なのか。国民性の違いであろうか。著者によれば、インフラや教育を整備してくれた当時の施政者に感謝する気持ちを抱く方が国際的にも大勢であるそうだ。グローバルな視点から見れば、韓国は特異な国である、と断定する。著者はそれを文化的な差異、すなわち儒教の弊害が韓国に現れているとする。だから、儒教の本家本物、中国ではそれがもっと顕著に現れているのだと言う。序列を明確にして社会秩序を保つ儒教精神からいえば、日本は韓国より低い地位にあると朝鮮民族は考える。ところが、実力も国際評価も日本が数段高いのが現実である。これに我慢ならないのが韓国の国民感情なのだろう。高等教育を受け、情報もオープンに受け入れる知識人であっても、こと対日感情となるとヒステリックになるのは、そんなところに原因があるのだろう。
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