OUT 下

講談社文庫

桐野 夏生

2002年6月15日

講談社

792円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

ごく普通の主婦であった彼女たちがなぜ仲間の夫の死体をバラバラにしたのか!? 主婦ら4人の結束は、友情からだけではなく、負の力によるものだった。その結びつきは容易に解け、バランスを欠いていく。しかし動き出した歯車は止まることなく、ついに第二の死体解体を請け負うはめになる。彼女たちはこの現実にどう折り合いをつけるのか。 大きな話題を呼んだクライム・ノベルの金字塔。

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Readeeユーザー

(無題)

-- 2021年02月03日

実はすごく心に残ってるテレビドラマの原作だった! ホントに色々よく記憶していて、衝撃的な作品だったんだな、とあらためて。 でも好きなテイストではないなぁ。笑笑

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Readeeユーザー

共通は何か

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3.2 2020年10月22日

深夜の弁当工場で働く共通点のない主婦四人が、あることをきっかけに急速に接近し、どんどん落ちて行ってしまうお話です。映画化、ドラマ化、舞台化されています。 ♯OUT ♯桐野夏生  ミステリーには守るべき法則がある。前回ご紹介した「十戒」や「二十原則」などです。ミステリーはいわば筆者と読者の知恵比べ。最後まで読者をだませるかどうか。最後までに犯人を言い当てることができるかどうか。楽しみの醍醐味の一つです。 しかし、この本では「動機」が完全に欠落しています。説明することすら放棄されている。それを踏まえたうえでお読みになるのが良いかもしれません。 お話は、深夜の弁当工場で働く、境遇も性格も違う、働く時間しか接点のない4人の主婦のお話です。深夜の肉体労働を選ばざるを得ない境遇だった・・・共通するのはそのただ一点のみ。選ばざるを得なかった仕事は、出世もなく昇給もなく蓄えができるほど高賃金でもなく(昼勤の1.25倍)、ただ日々を生きながらえることが可能になるだけだった。ある日を境に接点の薄い4人の世界が複雑に交錯していく。 未来への希望もなく、ただ同じ毎日を繰り返す。世の主流から外れた「OUT」な場所に沈み込んでいる。「OUT」の世界からどうすれば脱出することができるのだろうか。 見えかけた出口。塞がりかけているのだけはわかる。そこを突破することだけ考え、自分しか信じない。どんなに綺麗ごとをいったとしても、最期に頼れるのは自分だけだ。人生には、突然何もかも変わる日がやってくる。今日がその日かもしれない。 抜け出せるとも思っていなかった「OUT」の世界。抜け出すということを考える気力を削がれなくしてしまう「OUT」な世界。一度沈めば容易には浮き上がることができない「OUT」な世界。 沈んで浮き上がれなくなって、藻搔き苦しみ、世界に絶望したとしても、自分の欲しかった自由がどこかに絶対あるはずだ。せっかく見つけたドアが、背中で閉まったのなら、新しいドアを見つければいい。歩き続けるしかないんだ。自分だけのドアを見つけるまでは。

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