
蒼穹の昴 2
講談社文庫
浅田 次郎
2004年10月31日
講談社
792円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
若きエリートが志す新しい時代 その前に「試練」が立ちはだかる 一気読み必至の歴史的傑作全4巻同時刊行! 官吏となり政治の中枢へと進んだ文秀(ウェンシウ)。一方の春児(チュンル)は、宦官として後宮へ仕官する機会を待ちながら、鍛錬の日々を過ごしていた。この時、大清国に君臨していた西太后(シータイホウ)は、観劇と飽食とに明けくれながらも、人知れず国の行く末を憂えていた。権力を巡る人々の思いは、やがて紫禁城内に守旧派と改革派の対立を呼ぶ。 第二章 乾隆の玉(承前) 第三章 河北の太守 第四章 皇太后宮へ 第五章 謀殺
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人生は天命ではなく努力で決まる
ついに歴史が動き始める。 西太后が王朝から退く決心をし、かわりに天子が、帝として新しい政権を始める。 しかし、憲法制定、国会開設、鉄道の敷設、教育改革、新しい国軍の建設などなどやることはたくさんある一方で、そんな官僚国家を覆すには、たくさんの障害がある。皇族、満州旗人、伝統。大きな改革には大いなる犠牲が伴う。これからの流れで誰がその犠牲になり、どんな血が流れるのか、とても怖い。 その一方で、3人の進士たちも別々の道を歩み始める。王逸は科挙出身の将軍の元で、国を動かす一つの礎となる。章は一切の私欲がなく、高年齢ながらも朝から晩まで国のために働き続ける。なんと素晴らしい姿勢だろうか。そして、王逸は“龍玉”の守り手となるとの思し召しを受ける。このあとどのように彼が関わってくるか楽しみだ。 西太后もなかなかに悲哀なお人だ。 政治に興味のない夫に先立たれ、唯一の息子は薬で早死にする。そして、もたつく王朝を女で1人でまとめてきた。そして、可愛がっていた天子に同じ苦しみを味合わせたくないと、その心とは裏腹に鬼のようにきつくあたる。そんな心の強い持ち主だ。最後には天子の気持ち打たれ、譲ることになったが、これからもしっかりと支えてほしい。 天子は天命のない皇帝。彼自身はそのことを知らずに、懸命にこの国を変えていこうと言う強い意志が見られる。惚れ惚れする。 一方で、時々見せる母親への甘えがとても可愛い。ずっと二人三脚で愛情と共に生活してきた、そんな2人の親子愛が素敵だ。 文秀は本当に良くできたお人だ。 ついには、玲玲を拾い上げ、自分のもとで雑務をやらせるように。そして、着実に場を見極め、しっかりと身を回す姿を見ては本当に頭脳明瞭としか言いようがない。これからもさいそうとしての活躍が楽しみ。 そして、玲玲の文秀への片思いもストーリーを盛り上げていて素晴らしい。2人の赤い糸がうまくつながることを祈っております。 そして、最後はもちろん春児。周老翁や黒牡丹のみっちりとした、3年のしごきにより素敵な青年へと成長した。常に明るく元気で、人をまっすぐに見つめるうまく動き回る。 その姿勢だけではなく、料理、掃除、話し方、歌、踊り、何をとっても素晴らしい。それもすべて、彼自身の人生。天命はないけれども、それでも自分の信念に従って必死に生きようとする、前に進もうとする彼の力強さを感じることができた。これからも決して怯むことなく、あわよくば龍玉を手に入れられるように、天下を治まられるように頑張ってほしい。特に、いただいたお給料でチエンシンたちの宝物を回収していく姿はまさに、かっこいいの一言だ。
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人生は天命ではなく努力で決まる
ついに歴史が動き始める。 西太后が王朝から退く決心をし、かわりに天子が、帝として新しい政権を始める。 しかし、憲法制定、国会開設、鉄道の敷設、教育改革、新しい国軍の建設などなどやることはたくさんある一方で、そんな官僚国家を覆すには、たくさんの障害がある。皇族、満州旗人、伝統。大きな改革には大いなる犠牲が伴う。これからの流れで誰がその犠牲になり、どんな血が流れるのか、とても怖い。 その一方で、3人の進士たちも別々の道を歩み始める。王逸は科挙出身の将軍の元で、国を動かす一つの礎となる。章は一切の私欲がなく、高年齢ながらも朝から晩まで国のために働き続ける。なんと素晴らしい姿勢だろうか。そして、王逸は“龍玉”の守り手となるとの思し召しを受ける。このあとどのように彼が関わってくるか楽しみだ。 西太后もなかなかに悲哀なお人だ。 政治に興味のない夫に先立たれ、唯一の息子は薬で早死にする。そして、もたつく王朝を女で1人でまとめてきた。そして、可愛がっていた天子に同じ苦しみを味合わせたくないと、その心とは裏腹に鬼のようにきつくあたる。そんな心の強い持ち主だ。最後には天子の気持ち打たれ、譲ることになったが、これからもしっかりと支えてほしい。 天子は天命のない皇帝。彼自身はそのことを知らずに、懸命にこの国を変えていこうと言う強い意志が見られる。惚れ惚れする。 一方で、時々見せる母親への甘えがとても可愛い。ずっと二人三脚で愛情と共に生活してきた、そんな2人の親子愛が素敵だ。 文秀は本当に良くできたお人だ。 ついには、玲玲を拾い上げ、自分のもとで雑務をやらせるように。そして、着実に場を見極め、しっかりと身を回す姿を見ては本当に頭脳明瞭としか言いようがない。これからもさいそうとしての活躍が楽しみ。 そして、玲玲の文秀への片思いもストーリーを盛り上げていて素晴らしい。2人の赤い糸がうまくつながることを祈っております。 そして、最後はもちろん春児。周老翁や黒牡丹のみっちりとした、3年のしごきにより素敵な青年へと成長した。常に明るく元気で、人をまっすぐに見つめるうまく動き回る。 その姿勢だけではなく、料理、掃除、話し方、歌、踊り、何をとっても素晴らしい。それもすべて、彼自身の人生。天命はないけれども、それでも自分の信念に従って必死に生きようとする、前に進もうとする彼の力強さを感じることができた。これからも決して怯むことなく、あわよくば龍玉を手に入れられるように、天下を治まられるように頑張ってほしい。特に、いただいたお給料でチエンシンたちの宝物を回収していく姿はまさに、かっこいいの一言だ。
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(無題)
全4巻の第2巻で、1895年の日清戦争終了間際の清王朝を描きます。春児と文秀は、それぞれ西太后派と光緒帝派 に分かれるも、それぞれの立場で国を憂います。大事なものを失って覚悟を決めた春児が格好いいですね。
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