
流星ワゴン
講談社文庫
重松 清
2005年2月15日
講談社
880円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
死んじゃってもいいかなあ、もう……。38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そしてーー自分と同い歳の父親に出逢った。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのかーー? 「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作。 38歳、秋。ある日、僕と同い歳の父親に出逢ったーー。 僕らは、友達になれるだろうか? 死んじゃってもいいかなあ、もう……。38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そしてーー自分と同い歳の父親に出逢った。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのかーー?「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作。 流星ワゴン 文庫版のためのあとがき
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父と息子、あるいは朋輩。
starstarstarstar 4.0 2021年02月14日
重松清作品は初。
比較的簡単な言葉で表現される文体は親しみやすく、しかし決して単調にならない言葉選びに作者の表現力の高さが伺える。
前歴は編集者とあり、成程と納得。
長編だが、描き出しから一気に引き込まれる。物語の続きが気になるため寝不足になりながら、すぐに読了した。
父と息子の関係性をあらゆる角度から考察する本作。その角度の中には小説らしい摩訶不思議な世界からの考察も含まれますが、それこそ本作の醍醐味。
突拍子のない世界ではなく、おそらく皆一度は想像したことがあるのではなかろうか。親が友達であったなら、という想像。
それをタイムトリップというワクワクする設定で描写されれば、夢中にならないはずがない。
個人的に引っかかったことは、若き日のチュウさんと父としてのチュウさんがあまりにイメージとしてかけ離れていたこと。チュウさんほど自分を持ったブレない人が、その後の人生で息子とああもうまくいかないものか。その辺の想像材料も作中に散りばめられてはいるが、いまひとつ納得に至らなかった。
*
本作は泣けると聞いてはいたが、本気で泣けるため、電車で読むのは大変危険を伴う。
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親子(父息子)愛、家族、生きることについて
starstarstar 3.0 2019年12月16日
ちょっと設定というか、ストーリーテリングはファンタジー要素があって、
もし、自分の過去を後悔の無いようにすることができたら。
結果自体を変えることは不可能だけど、そこに行き着くまでにどう動いて気持ちを整理していけるか、そんな「ほんの少しのやり直し」ができたら。
そもそも設定として、基本的にはもうすぐ死ぬ人や死んだ人?が対象のはずなのに、主人公は死なないというのも不思議だったけど、小説なので細かいとこはいいか。
生きているうちは、色々嫌なことや思い通りにいかないことも多いわけだけど、やっぱり死ぬときには、「いい人生だった」と後悔なく逝きたいよなあ。と思った。だから精一杯人生をやらないとなと思う。
重松清が描く人物像っていうのが本当に上手い。
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(無題)
starstarstar 3.3 2019年03月11日
star
アウトプットのために記録。
ある日現実に疲れ、もう死にたいと思ってたカズの目の前に一台のオデッセイが現れる。
その中には5年前に交通事故で亡くなった父子が。
彼らと共にカズは自分の生活が破綻する分岐点となった日を訪れていく。
自分を愛していると思ってた妻も、自分に好意的だと思ってた息子も、金に目ざとく守銭奴で冷徹な人だと思って嫌ってた父親も、実はそれぞれ自分が知らない顔を持っていたことを知る。
こんなに近くにいた人達なのに、知っていたつもりで全然知らなかったことに虚しくなるカズ。
しかし、過去に戻り、自分の大切な人たちのもう一つの顔と真っ正面から向き合うことで、次第に自分の現実を理解し、それを受け入れ前を向き始めるー。
とってもいい話なんだけど、まだ親になったことないし、結婚もしたことないから小説でよくある追体験的な感覚がなかった。
あとこれはしょうがないけど設定が現実味が無いからなんかイマイチ乗れなかった。
でも、よくある過去に戻って、色んな問題と向き合って現実変わってハッピーエンドじゃなくて、過去に戻って向き合ったけど暗い現実は変わらないというのはリアリティがあった。
結局現実は変わらないし、未来を良くしたいなら現実の問題に一つ一つ真摯に向き合っていくしかないよね、てこと。
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人生やりなおしの旅
starstarstar 3.7 2017年05月27日
star
一人の男が人生に疲れ果て、もう死んでもいいと思ったとき…一台のワゴンが人生を振り返る旅に連れ出してくれる。人生の岐路に立つあらゆる場面で、それとは気付かずに見過ごしてきた大切なものに気付かせてくれる旅。現実はそう簡単に変えられないが、「ルールは変えてもいいんじゃないか。」そんな希望を抱かせてくれる家族との関係を描いたヒューマンドラマ。父と息子の関係が悪くなるのはこういった微妙なすれ違いによるものが多いのではないかと共感させられ、自分の親とのことも見つめ直すきっかけになる良著。
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(無題)
「流星ワゴン」は、ファンタジーの要素を交えながら「ビタミンF」のモチーフを長編にした感じ。三組の父と息子が交差する中で父である38歳男性の再生。それにしても、重松清はどれも女っ気がないし甘くもない。次男はどの辺が好きなのだろう。。
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