難航 交代寄合伊那衆異聞
講談社文庫
佐伯 泰英
2009年4月15日
講談社
680円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
矢傷を負った座光寺藤之助を故郷の山河が優しく癒す。家臣たちに幕府存亡の危機を説く藤之助に、老中筆頭堀田正睦より新たな命が下った。豆州下田では亜米利加総領事ハリス相手に交渉が難渋していた。だが彼が暗殺されれば、江戸湾を外国艦隊が埋め尽くす。無敗の剣で国難に挑む第10弾。
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(無題)
シリーズ第十弾。長崎から江戸にもどり、すぐさま伊那谷に向かった座光寺藤之助。だが、時勢は余裕を与えてはくれない。すぐさま江戸からの急使がやってきて、下田に向かえという。下田ではアメリカ総領事ハリスを相手に条約締結の大詰めを迎えている。ただ、金もうけだけのために日本にやってきて、幕末の経済を大混乱に陥れた。大混乱の元となるのは、ハリスが強硬に主張した通貨の交換比率である。ハリスは金銀の含有量に基づく交換比率を求めた。いわば「秤量貨幣」の考え方である。だが、当時の日本で一般的に通用していたのは「秤量貨幣」ではなかった。実質的には一分の価値がないにもかかわらず、幕府の刻印を打つことで一分銀の価値を持たせた貨幣が流通していたのだ。つまりは現在の通貨と同じと考えていい。ハリスにしてみれば、文明の劣る極東の国で、西欧ですら成し得ていない通貨政策がなされているとは思わなかったのだろう。幕府の主張する交換比率を、騙している、と決めつけて、強引に自分の考える交換比率を押しつけた。結果として引き起こされたのが、「小判の流出騒ぎ」である。そして、このために日本の経済は大混乱に陥る。
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