滝山コミューン一九七四
講談社文庫
原 武史
2010年6月15日
講談社
770円(税込)
小説・エッセイ / 人文・思想・社会 / 文庫
郊外の団地の小学校を舞台に、自由で民主的な教育を目指す試みがあった。しかし、ひとりの少年が抱いた違和感の正体は何なのか。「班競争」「代表児童委員会」「林間学校」、逃げ場のない息苦しさが少年を追いつめる。30年の時を経て矛盾と欺瞞の真実を問う渾身のドキュメンタリー。(講談社文庫) 本書は、目を逸らさずにすべてを白日の下に晒さねばならない、とする迫力ある記憶の書でもある。(解説、桐野夏生)郊外の団地の小学校を舞台に、自由で民主的な教育を目指す試みがあった。しかし、ひとりの少年が抱いた違和感の正体は何なのか。「班競争」「代表児童委員会」「林間学校」、逃げ場のない息苦しさが少年を追いつめる。30年の時を経て矛盾と欺瞞の真実を問う渾身のドキュメンタリー。(講談社文庫)
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(無題)
原武史氏の乾いた筆致が、私による私史観でありながら対象との適度な距離を保っている。この七小にだけに様々な偶然と必然が作用して顕われた滝山コミューン。 後に共産主義の歴史からの退場で正史となる民主集中的権力の残酷さとその欠陥を慶應普通部に中学受験して合格できる経済的に余裕のある著者の個人主義的/資本主義的価値観からの醒めた見方が高コントラストをなし心地よい。
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