新装版 日暮らし(上)
講談社文庫
宮部 みゆき
2011年9月30日
講談社
924円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
佐吉が人を殺めた疑いで捕らえられた。しかも殺した相手は実の母、葵だという。生き別れた親子に何があったのか。「この世のことを一人で全部背負い込むわけにはいかないんだよ」。辛くても悲しくても決して消えてなくならない遺恨と嘘。本所深川の同心、平四郎と超美形の甥っ子、弓之助は真実を探り始める。
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前作「ぼんくら」で起きた鉄瓶長屋の騒動から約1年後のことです。八丁堀の同心・井筒平四郎のもとに、再び事件が舞い込んでくるのでした。物語は例によって短編連作であります。まずは第一話「おまんま」。おでこが気の病で臥せってしまう物語なんですけど、その理由がふるっていいます。何だか身につまされるようでした。第二話「嫌いの虫」は佐吉とお恵夫婦の話ですが、この話にはヤキモキさせられてしまいます。新婚半年だというのに、二人の間には早くも隙間風が吹いているんです。第三話「子盗り鬼」では、葵の現在の暮らしぶりが描かれています。女中のお六に横恋慕する孫八は、夫の新吉を毒殺してまでお六を手に入れようとします。その上孫八はとんでもないドメスティックバイオレンスなんです。この孫八を二度と立ち上がれないように懲らしめる大芝居は、胸がすうっとします。 第四話「なけなし三昧」は捕り物の話で井筒平四郎や岡っ引きの政五郎、弓之助などぼんくらでお馴染みの面々が登場。お徳の目の前で商売敵が店を開けます。お徳の煮売り屋より安くてうまいのですから、客は奪われるし、江戸中の評判を呼びます。新開店した店は赤字覚悟での商売です。何故そんなことをするのでしょうか。一方で有馬屋の一人娘お鈴が首をつってしまいます。女たらしの札付きに騙されたのです。 第五話「日暮らし」で大事件勃発です。佐吉が葵殺しの疑いで捉えられ自身番に拘束中だというのです。知らせを受けた平四郎ならずとも、おっとりかたなで駆けつけようというものです。
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歌菜
芯の強さと義理人情
お徳、葵、おでこ、佐吉の、その後の生活が短編で描かれる。人間の感情の機微を優しく、ときには厳しく描くさすがの宮部節。宮部作品の女性は芯が強い人ばかり。「ぼんくら」ではお徳さん、今作は葵様のファンになった。
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