風のマジム

講談社文庫

原田 マハ

2014年8月13日

講談社

726円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

派遣社員から女社長に。日本初の純沖縄産ラム酒を造りたい!すべての働く女性に勇気を与える奮闘記。

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Readeeユーザー

(無題)

starstarstarstar 4.0 2018年01月26日

沖縄の離島を舞台にした原田の小説。いい雰囲気が出ている。地元の人ではなく、旅人だからこそ出せる味であろう。北海道でも沖縄でも、あるいは関東の温泉地でもいい、この人の手にかかると、読者は旅心を刺激されたまま旅情に浸る事ことが出来る。 沖縄と聞いた時、三線と三板に合わせて人々が踊るシーンを頭に思い浮かべるのは僕だけではないだろう。人々の気持を浮き立たせているのはオリオンビールに泡盛であろうか。琉球王朝時代からの沖縄の酒文化に一石を投じた女性がいた。沖縄電力の社内ベンチャー制度で平成16年に設立された株式会社グレイスラムの代表取締役・金城祐子さんである。彼女は沖縄のサトウキビを原料に無添加ラム酒・コロコロを作ったのだ。 本編はこの金城さんをモデルとしている。ヒロインの名前は“まじむ”、真心という意味である。琉球アイコムに勤務する派遣社員である。母と祖母の三人暮らしで、家業は豆腐屋。そして実はもう一人の主人公がいた。南大東島に吹く「風」である。祖母の手ほどきの元に晩酌をするようになった彼女のお気に入りは、サトウキビが原料のアグリコール・ラム。飲んだ途端、風を感じた、というのがその理由である。また、南大東島のサトウキビは太陽と大地そして風が育てるのだ。 まじむは南大東島産のサトウキビを原料にラム酒を作ることを思いつき、社内ベンチャーに応募した。しかし、それは単なるアイデアに過ぎす、実際に事業化するには数々の困難を乗り越えなければならない。先ずは原料の入手から工場建設、そしてお酒にとって何より大事なのが杜氏の確保である。さらには税務署相手に酒類製造業の認可を得るなどの厄介な仕事もクリアしなければならない。まじむの目前に立ちはだかる困難な壁はやがて瓦解していく。まじむの未来を信じるひたむきさが彼女の周りの人々を動かしたのだ。 こうして彼女の夢は、おかあ、おばあの夢となり、やがて南大東島の村長、商工会会長をはじめとする島の人々、そして酒造家に共有されるところとなり、ついには風の酒「風のマジム」が創り出されるのだった。

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