哲学の最新キーワードを読む 「私」と社会をつなぐ知

講談社現代新書

小川 仁志

2018年2月15日

講談社

924円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

ポピュリズム、再魔術化、アート・パワー、思弁的実在論、OOO、新しい唯物論、ポスト・シンギュラリティ、フィルターバブル、超監視社会、ニュー・プラグマティズムシェアリング・エコノミー、効果的な利他主義……ポスト・グローバル化が進行する新時代を生き抜くために、最低限おさえるべき思想がここに! 混沌とした時代だからこそ、「私」と社会をいかにつなぐかを考える、まったく新しい公共哲学を打ちたてよう! ●新時代を生き抜くために、最低限おさえるべき思想がここにある!  グローバル時代は終焉を迎えつつある。アメリカの保護主義や移民制限、イギリスの脱EUのようなナショナリズム的潮流に鑑みると、どうも時代が逆行しているようだ。他方、人々は、インターネットなどで、国境など気にせず本能や欲望のままにつながり合おうとしている。こんな新しい世界状況は「ポスト・グローバル化」と呼べるかもしれない。  この時代にあって、四つの新しい現象が世界規模で起こりつつある。一つ目は、ポスト真実や反知性主義といった、情緒的な決定が世界を動かす状況。二つ目は、理性とは無関係な、モノ主体の世界観の発生。三つ目は、AIやインターネットなどのテクノロジーの発達。そして最後に、シェアリング・エコノミーのような、共同性の拡大だ。  要するに、従来の理性主義にとって代わる、脱理性主義の多層的な知が、時代を規定しようとしているのである。これらが多項式のように連接することで、あたかも一つの多層な知が形成されている。これを〈多項知〉と呼んでみたい。「ヘーゲル的な絶対知から〈多項知〉へ」。この視点を理解しなければ、混沌とした世界を生き抜けない。  さあ、「私」と社会をいかにつなぐかを考える、まったく新しい公共哲学を打ちたてよう! (本書の主な内容) 第一部 感情の知 1 政治は感情に支配されるのか?--ポピュリズム 2 地球規模の宗教対立が再燃するーー再魔術化 3 アートこそが時代を救うーーアート・パワー 第二部 モノの知 4 すべては偶然に生じているーー思弁的実在論 5 独立するモノたちーーOOO 6 非ー人間中心主義の行方ーー新しい唯物論 第三部 テクノロジーの知 7 AIの暴走を止められるかーーポスト・シンギュラリティ 8 インターネットが世界を牛耳るーーフィルターバブル 9 プライバシーなき時代を生きるーー超監視社会 第四部 共同性の知 10 積極的な妥協が対立を越えるーーニュー・プラグマティズム 11 ポスト資本主義社会は共有がもたらすーーシェアリング・エコノミー 12 自分と他者を同時に幸福にするーー効果的な利他主義

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