
血脈 交代寄合伊那衆異聞
講談社文庫
佐伯 泰英
2015年3月13日
講談社
693円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
サムライの心意気で新たな時代に漕ぎ出せ! 佐伯泰英の幕末冒険小説、第二十二巻。交易に一族の命運を託した座光寺藤之助。井伊直弼暗殺後の幕政の混乱が順調に進んできた東方交易の行く手に影を落とす。さらに、頼みの交易品を積んだレイナ一世号とストリーム号が野分に襲われる。波濤の先に、光明は見えるか?
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(無題)
このシリーズもあと1巻で終了するんですね。著書があとがきで明かしています。居眠り磐音も終わってしまいますし、寂しい限りです。新しいシリーズ開始の予兆もありませんし、著者73歳、ベストセラー作家となって蓄財もなったでしょうし、ソロソロ人生の締め方を考えているのでしょうか。 仏教は人間の欲望を否定的に見ているようですが、欲望を悪玉に祭り上げるのは必ずしも正しくないと思われます。例えばここにタライと洗濯板で選択をしている女性がいたとします。彼女は不自然な姿勢で長時間働くのは辛いので、何とか解放されたいと思うでしょう。その思いに応え、しかも金儲けしようと思った電気会社のエンジニアが電気洗濯機を開発しました。こうして単純な肉体労働から解放された女性はもっと創造的な事に時間を割くようになりました。このように人類が進歩してきた歴史のベースに欲望があったのですから、一概に否定することはないんですね。欲望に振り回されて人生を見失ってしまうことが愚かなんですね。でもね、いますよね、幸せになるための豊かさにも関わらず、手段が目的化してしまっている人。 さて、泣く子も黙る悪名高い海賊、黒蛇頭の老陳が人生の幕を閉じようとするときの心境はどうだったでしょう。アウトローの生き方は、自らの欲望を満たすために極悪非道の限りを尽くすわけです。海賊行為の結果、蓄積された富をどう処分しようと考えたか、興味深いものがあります。先ごろサウジアラビアの王子が個人資産約4兆円をすべて慈善事業に寄付すると発表して、話題になりましたね。この王子、何を考えて寄付することにしたか、そんな大金持ちの心中は察するに余りあります。普通は子供に残そうとしますよね。血も涙もないことで知られたさしもの老陳も人の子だったのですね。死期を悟った老陳は、全財産をダイヤとサファイア、ルビーに代えて、自らの血を引く孫に引き渡すことと後見を藤之助に依頼しました。新たな重荷が藤之助の肩にのしかかりました。なにしろ一人前になるまで10〜15年はかかる幼児なのですから。でも、いいか。藤之助と玲奈には子がいないのですから、この子が後継に育つかもしれません。
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