探偵の探偵4
講談社文庫
松岡 圭祐
2015年7月15日
講談社
649円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
完全警護の東京拘置所で殺傷事件被告人の連続死亡事件が勃発。監視カメラが捉えた人物は、紗崎玲奈にとって唯一無二の存在だった。真実はどこで決着をみるのか。死神への復讐は果たしたものの、琴葉に裏切られ虚ろな日々を送っていた玲奈が覚醒する。「探偵の探偵」四部作、壮絶なフィナーレ。
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ダーク
【名探偵、皆を集めて、”さて”といい】 小説やドラマででてくる名探偵といえば、こうでしょう。小説に描かれる探偵は、実に都合よく手掛かりを得たりします。演繹法に頼り切った物言いで断言し、ことごとく正解する。現実にはあり得ないことだ。そもそも犯罪を犯す人間が、探偵ののんびりした推理を大人しく聞いているわけがなかろう。すでに犯罪を犯している以上、これ以上罪を重ねてはいけないなどの心理が働くはずもなく、その場で逃走するなり、攻撃するなり、するはずであろう。 この本に出てくる探偵は、この日本で現実に探偵を生業とし職業とする人々だ。表も裏も、探偵という生業がいかにグレーな世界で成り立っているのか、よくわかるシリーズである。 【探偵は推理なんてしない】 依頼人の要望に応えるのが、探偵である。それが法を少々犯すものであっても、報酬によっては受けたりもする。たとえば、DV夫に隠れている妻の所在を探せと言われ、探すのはモラル的にもアウトだ。だが、その依頼を受ける人間がいるのも事実。居場所を教えるまでが探偵の仕事であり、それ以降どうなろうと関係ない。というのが実際であったりします。 その結果、悲惨なことになった人々はたくさんいる。家族が離散したり、大切な人をなくしたり。 そんなモラルのない探偵を取締り、探偵業界から撲滅するのが、探偵の探偵、「対探偵課」という部署である。探偵を憎み、モラルのない探偵を撲滅するために、大嫌いな探偵になった女探偵が主人公、玲奈ひとりだけの部署。彼女は自分の妹がストーカーに殺される原因を作った最悪な探偵を見つけるために探偵になった。ストーカーから依頼され、遠い親戚の元に隠れすんでいた妹の所在地や行動パターンなどを詳細に教えたのだ。結果妹は殺された。。。。 膨大な悪徳探偵から見つけ出すのは無謀に近いが、見つけられなくても、自分のような被害者を作りたくない一心で、目の敵にされ報復され、体がボロボロになろうとも殺されかけようとも、何度も立ち上がり、前に進んでいく。見ていてツライ場面も多いお話です。可憐にしてタフな探偵。彼女の行きつく先は。彼女が満足できる世界がくるのはいつだろうか。敵は見つかるのか。
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(無題)
琴葉と玲奈がお互いに気持ちを断ち切れずにいる状態で、琴葉は罠にはまっていく。玲奈は琴葉が犯すはずでない罪を見抜き真犯人を追っていくのはさすがだ。拘置所での犯行なんて非現実的すぎることが小説の中ではあり得るように思えてしまう。心理戦のような最終対決では先を読む知恵でも体力的にも玲奈の方が上だったようだ。琴葉との関係も修復したように思える終盤は次作をも期待させるような感じだけれど…これで終わりなのか??
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