七月に流れる花

講談社タイガ

恩田 陸

2018年9月20日

講談社

627円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。 六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。 終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。 思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城ー夏流城での林間学校への招待状が残されていた。 ミチルは五人の少女とともに、濃い緑色のツタで覆われた古城で共同生活を開始する。 城には三つの不思議なルールがあった。 鐘が一度鳴ったら、食堂に集合すること。 三度鳴ったら、お地蔵様にお参りすること。 水路に花が流れたら色と数を報告すること。 少女はなぜ城に招かれたのか。長く奇妙な「夏」が始まる。

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