
クロコダイル路地
講談社文庫
皆川 博子
2019年1月16日
講談社
2,035円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
quo fata trahunt, retrahuntque, sequamur. 運命が運び、連れ戻すところに、われわれは従おう。 1789年7月14日、民衆がバスティーユ監獄を襲撃。パリで起きた争乱は、瞬く間にフランス全土へ広がった。帯剣貴族の嫡男フランソワとその従者ピエール、大ブルジョアのテンプル家嫡男ローラン、港湾労働と日雇いで食いつなぐ平民のジャン=マリと妹コレット。〈革命〉によって変転していくそれぞれの運命とは。上巻は貿易都市ナントを舞台にしたフランス編。 「法廷で裁かれるのは〈犯罪〉だ。神が裁くのは、〈罪〉だ」 革命は終わった。 登場人物たちは、フランスを脱出してイギリス・ロンドンへ。ローラン、ピエール、コレットは、革命期に負った「傷」への代償としての「復讐」を試みる。 「革命という名の下になされた不条理に、私は何もなし得ない。ゆえに、個が個になした犯罪の是非を糺す資格も、私は持たない。私は、法がいうところの犯罪者になるつもりだ」 私は、殺人を犯す。それは罪なのか? あの「バートンズ」も登場!下巻は産業革命期のロンドンを舞台にしたイギリス編。 小説の女王が描く壮大な叙事詩的物語と、仕組まれた巧妙な仕掛けに耽溺せよ。
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