
日本人の原風景 風土と信心とたつきの道
講談社学術文庫
神崎 宣武
2021年1月12日
講談社
1,265円(税込)
人文・思想・社会 / 文庫
山に富み、森林に覆われ、海に囲まれた列島。そこに棲む日本人は自然の恵みを享受し、生計を立て、カミに礼を尽くしては人生の節目とした。また、参詣・巡礼に言寄せた遊山や漂白・旅の渡世は、楽も苦も味わう深さをもたらした。 近世に固まったそうしたスタイルは、しかし高度経済成長期を境に変容を余儀なくされる。見失われた日本人の暮らしと人生の豊穣はどんな形だったのか。民俗学者がフィールド観察と研究の蓄積をもとに語る。 第一章 山に富む列島の恵みーー森が産みを育てる 第二章 四季五節の循環ーー旧暦で語るべし 第三章 人生の節目に現れる神仏ーー願かけとご先祖様 第四章 参詣と巡礼のなかの信心ーー遊山の片身ごろとして 第五章 今は昔の旅人たちの「たつき」
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(無題)
著者は宮本常一の弟子なんだそうだ。近畿日本ツーリストに勤める在野の研究者である異色の経歴も、それで納得が行った。 日本あるいは日本人ってなんなんだろう。こんな素朴でしかも答えのない疑問に、文化をツールとして迫ってみようとの試みが文化人類学なり民俗学なんだと思う。しかもそこに漂う雰囲気は、アカデミズムの高尚さは除外されている。学者が高みから大上段に振りかぶった物言いは見られない。あくまでもフィールドワークで入手した情報をそのまま伝達しているに過ぎない。 私は北海道生まれである。物事にこだわらない、あっさりとした人間性は北の大地が育んだものだ、と思っている。風土と人間性は切っても切ることができない強い結びつきがある。風土は何時も人に優しいとは限らない。予期せぬ出来事も現れるだろう。人はそんな事が起きないように祈る。そこに信仰心が生まれる。いや、そんな偉そうなことではない。単なる生活の中の信心である。かつてこの列島には、今では全く姿を消した生き方をした人々がいた。それは、漁師ではなく海人であったし、猟師ではなく杣人あるいは山窩であった。あるいは芸能を糧とした放浪の民であった。私たち日本人の心の底にそんな心性が沈澱しているに違いない。
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