世界インフレの謎

講談社現代新書

渡辺 努

2022年10月20日

講談社

990円(税込)

新書

なぜ世界は突如として物価高の波に飲み込まれたのか? ウクライナの戦争はその原因ではないことは、データがはっきりと示している。 では真犯人は……? 元日銀マンの物価理論トップランナー、異例のヒット『物価とは何か』の著者が、問題の核心を徹底考察する緊急出版! なぜ急にインフレがはじまったのか? だれも予想できなかったのか? ーー経済学者も中央銀行も読み間違えた! ウクライナ戦争は原因ではない? ーーデータが語る「意外な事実」 米欧のインフレ対策は成功する? ーー物価制御「伝家の宝刀」が無効になった! 慢性デフレの日本はどうなる? ーー「2つの病」に苦しむ日本には、特別な処方箋が必要だ! 本書の「謎解き」は、世界経済が大きく動くダイナミズムを描くのみならず、 日本がきわめて重大な岐路に立たされていることをも明らかにし、私たちに大きな問いかけを突きつけるーー 前著よりさらにわかりやすくなった、第一人者による待望の最新論考! 【本書の内容】 第1章 なぜ世界はインフレになったのかーー大きな誤解と2つの謎 世界インフレの逆襲/インフレの原因は戦争ではない/真犯人はパンデミック?/より大きな、深刻な謎/変化しつつある経済のメカニズム 第2章 ウイルスはいかにして世界経済と経済学者を翻弄したか 人災と天災/何が経済被害を生み出すのかーー経済学者が読み違えたもの/情報と恐怖ーー世界に伝播したもの/そしてインフレがやってきた 第3章 「後遺症」としての世界インフレ 世界は変わりつつある/中央銀行はいかにしてインフレを制御できるようになったか/見落とされていたファクター/「サービス経済化」トレンドの反転ーー消費者の行動変容/もう職場へは戻らないーー労働者の行動変容/脱グローバル化ーー企業の行動変容/「3つの後遺症」がもたらす「新たな価格体系」への移行 第4章 日本だけが苦しむ「2つの病」--デフレという慢性病と急性インフレ 取り残された日本/デフレという「慢性病」/なぜデフレは日本に根づいてしまったのか/変化の兆しと2つのシナリオ/コラム:「安いニッポン」現象 第5章 世界はインフレとどう闘うのか 米欧の中央銀行が直面する矛盾と限界/賃金・物価スパイラルへの懸念と「賃金凍結」/日本版賃金・物価スパイラル 参考文献 図表出典一覧

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Tetsuhirokawano

インフレの原因とは?

starstarstarstar 4.0 2023年08月17日

コストパフォーマンス追求の限界が来た

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Readeeユーザー

今の世界が今後一年単位でどうなるかと、そもそも物価とはなにかの話

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3.1 2023年01月29日

今のインフレはフィリップス曲線の神通力が効かなくなり、失業率が上がってもインフレ率が下がらない。 これは、これまでのインフレが需要増によって起きていたのに対し、今のインフレが労働供給の不足からなる供給減によって起きているため。労働供給の不足の原因について、パンデミックからの回復時に早期リタイアや通勤復活を嫌った労働者による転職活動を上げている。が、これだけで経済に影響するほどの労働力減が起こるものだろうか?本書によれば、アメリカの例で早期リタイヤや離職によって労働から離れた人口の増加は、パンデミック最中で1%ほど、少し落ち着いた頃でその半分程度らしい。 供給不足は、ものからサービスへの流れが続いてきた中で、パンデミックによってものへの回帰が起きたことの影響も大きい。 脱グローバル化も、インフレ方向に働く。 欧米では賃金と物価が合わせて上昇する賃金・物価スパイラルが懸念だが、日本では両者が合わせて維持される日本版賃金・物価スパイラルが懸念。 賃金と物価を安定的に上げるためには、両者の解凍が必要。 正統派の対策は利下げだが、これ以上の余地はない。 異端派の対策は、強制的な賃上げと物価上昇。アベノミクス以降で政府が取り組んできた、インフレ目標設定とそれに伴う価格上昇要請、及び官製春闘。 これがうまく行かなかったことがわかった今、労働需給の逼迫というキックスタートが必要だが、コロナ禍でさえ補助金で雇用を守った日本で労働需給が逼迫する事態になるかは不透明。 結局、「これをやれば大丈夫!」という万全の薬はなさそう。 ところどころ、データで他説を否定しておきながら、自説の補強は定性的なデータの読み方で済ませていたりと、不十分な箇所がある。今まさに起きていることに対する話題なので十分なデータがないのは仕方ないし、実際正直にそのように書いている箇所もあるが、スルッと定性的な議論で終わらせている部分もあり、内容の信憑性に疑問を抱かせることになっている。例えば健康被害と経済への影響を国ごとに比較している部分。健康被害は100万人あたりの死者数である一方、経済被害は成長率で見ている。健康被害の差が一万倍以上なのに経済被害の差は2.4倍に抑えられているという比較をしているが、経済被害がもし一万倍もあったら、10万%という、ハイパーインフレ下でしかありえない数字になる。 アベノミクスで物価が上がりかけたが、その際賃金が上がらなかったため、再度インフレ予想が沈下し停滞が続いた。 今回はインフレ予想が上がっており、これに呼応して企業も物価と賃金を上げることができれば、ついにデフレを脱することができる可能性がある。

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