詐欺師たちの殺し文句

ヤクザ、外人労働者、詐欺、金融など“裏の世界”を舞台とした領域を得意とするルポライターとして有名な著者が、これまでの取材を通じて知った「詐欺師の世界」を赤裸々に暴く。なぜ、そんなに甘い話に人々は乗ってしまうんだろう、自分なら絶対に騙されない、そう思っている人ほどたやすく詐欺師の手口に乗せられてしまう。M資金に始まり、ネズミ講やマルチ商法、投資ジャーナル事件、信用商法（ココ山岡）、オレオレ詐欺、ボランティア詐欺などなど、まさに詐欺師たちのタネは尽きまじといった感がある。希代の詐欺師たちから学んだ騙しのテクニックを、彼らの殺し文句からひもとく。「そんなバカな」と思っているあなたも、この本を読み進むうちに、「なるほど、これなら信じてしまう」、そううなずいてしまうはずだ。世の中が混迷にあるいま、人の弱さ、滑稽さ、ずるさ、そういったものを浮き彫りにしてくれる。