
江戸の恋
「粋」と「艶気」に生きる
集英社新書
田中優子
2002年4月22日
集英社
748円(税込)
人文・思想・社会 / 新書
江戸には恋があふれている。小説、音曲、芝居、浄瑠璃、浮世絵、黄表紙、洒落本…。そして、好色であることが誉れ高く、人が粋に通じ、人情にみちたこの時代の恋は、どこか淡く切なく、辛い覚悟を秘めている。初恋にはじまり、性愛、めおとに離縁、心中、男色、老いらくの恋までも、恋を入り口に江戸を、江戸を入り口に恋を自在に語る著者は、自らの体験や恋への想いを織り交ぜながら、いつしか読者を江戸文化の妙味、人生の深奥へと誘う。江戸学者が贈る艶気な新恋愛講座。
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性との向き合い方、結婚の本質など、読みながらいろいろな思いが湧き上がる
2002年発行。テレビドラマの時代劇でおなじみのような気がする江戸時代ですが、本書を読むと、ドラマが描くのはその時の視聴者のマジョリティが受け入れやすいイメージやストーリーにすぎないということがわかります。初恋、めおと、離縁、いさかいなどなど、やや昔の趣がありつつも現代も通じる言葉にまつわる江戸文学やその書き手のエピソードの数々から、江戸時代の人々の心情や社会規範が浮かび上がってきます。たとえば「好色」は不名誉な形容ではなく、教養や観察力、演出力や気遣いを総合して振る舞うことができる人をいう言葉です。その語を冠した「好色一代男」主人公の世之介の、恋に憧れるエピソードは7歳から、性のエピソードといえそうなものは9歳からですが、その出来事はまわりの大人が皆知っていて、そこに「よろこび」「笑い」のまなざしを向けているのは興味深いです。また春画は基本的に男女の性交を描くもので、男が裸になっている絵が多いところに、女性の身体を消費する現代のポルノとの大きな違いがあります。そして江戸時代の結婚は恋愛の行き着くところではなく、生きるために「身を寄せ合う」ものであり、いまの日本で再び「身を寄せ合って生きていく結婚や共同生活」が蘇る、という予測は、2025年に読むとまさに、と思います。
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