江戸の経済事件簿
地獄の沙汰も金次第
集英社新書
赤坂治績
2015年9月17日
集英社
814円(税込)
ビジネス・経済・就職 / 人文・思想・社会 / 新書
赤穂浪士から心中事件まで。江戸文化研究家が、歌舞伎、文楽、落語、浮世絵に描かれた様々な金銭がらみの事件や出来事を解説。近代資本主義以前の江戸の経済についてわかりやすく説明する。
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(無題)
人の懐具合を探るのは難しい。しかしながら、後からそれがわかった時、その人の行動に納得がいく事もある。だから経済を知ることは、本音を知ることに通じる。260年にわたって安定した体制が続いた徳川時代の経済がどうだったのか、非常に興味を覚えるところだ。 江戸時代は重農主義であったことが広く知られている。しかもコメ本位制。無論、金、銀、銭の通貨は存在したが、租税即ち年貢が米の現物で納められていたため、米から離れることはできなかった。これは稲の豊凶が経済や社会情勢に重大な影響を与えることを意味する 。ところが、時代の進展とともに貨幣経済が発達し、商人が力をつけ、武士や町人も、そして農民もカネの流通の中に組み込まれていった。やがてこの変化は幕府財政の悪化となって表面化する事になる。 江戸時代の経済成長率は1%に満たなかったとされる。そんな中でも元禄は高度成長期であった。活発な経済活動の結果、もたらされた豊かさを土壌に新たな文化が花開いたのだ。それにつれ文化の担い手も、奈良・平安時代の貴族、鎌倉・室町時代の武士から庶民へと代わっていっのだった。本書は長年江戸文化研究と演劇評論に携わってきた著者が、歌舞伎の物語を中心に、江戸文化に当時の経済状況がどんな影響を与えたかを考察したものである。 江戸時代の経済政策と言えば、思い浮かぶのが享保の改革、寛政の改革、天保の改革の三大改革である。これらは一言です言えば、財政の緊縮策で庶民には倹約を強いるものであった。著者によれば、江戸文化はこれら緊縮策が実施された時期には後退し、経済の成長期ないし安定期に花開いたのだ。江戸文化を代表する歌舞伎にしても錦絵にしても、豊かな経済をバックグラウンドにしたものだった。
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