国体論 菊と星条旗
集英社新書
白井 聡
2018年4月17日
集英社
1,034円(税込)
人文・思想・社会 / 新書
明治維新から現在に至るまで、日本社会の基軸となってきたものは「国体」であるー。象徴天皇制の現代社会で「国体」?それは死語ではないのか?否、「国体」は戦後もこの国を強く規定している。一九四五年八月、大日本帝国は「国体護持」を唯一の条件として敗戦を受け容れた。ただし、その内実は激変した。「戦後の国体」とは、天皇制というピラミッドの頂点に、アメリカを鎮座させたものなのだ。なぜ、かくも奇妙な「国体」が生まれたのか。「戦後の国体」は、われわれをどこに導くのか。『永続敗戦論』の白井聡による、衝撃作!
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先の戦争の終結時、我が国の支配層は何故あれまでに天皇制の維持にこだわったのだろうか。ポツダム宣言受諾の第一の条件が、国体の護持だというのだから、分からない。わからないと言えば、この国体という概念ほどわからないものもない。一般には「天皇が統治する政体」を意味すると考えられている。戦争に負けたのだから、戦勝国に占領統治され、それまでの政体が解体されるのは当然と思われるが、当時の指導者は国体の護持を真剣を願ったという。戦争を戦い抜いた相手国にそんな言い分が通ると思うナイーブさというか、厚かましさというか、どうにも私にはこの国の支配層の頭の中がどうなっているのか、見当もつかない。だから本書では「国体」を単に社会体制としては見ていない。日本人の精神風土をも含めて「国体」を論じている。 日本史を概観した時、どの時代にあっても、権力の二重性というか、権力と権威の分離を見て取る事ができる。それによって天皇制が永らえる事ができたとも言える。だから現代でも元首相の「この国は天皇を中心とした神の国」発言が飛び出してくる。やはり日本人の精神性には、天皇が深く関わっているのである。さて、本書の論旨である。戦後、象徴天皇のもと民主国家として再出発した我が国は、天皇に代わるものとしてアメリカを選び出したと著者は指摘する。ことアメリカを相手にすると、この国の主権は無いに等しい。たとえ独立国としての扱いをされなくても、唯々諾々とアメリカの言い分に従うのは、戦前の天皇制と同じ構図だというのだ。どうしてそこまで卑屈に対米従属するのか私には理解できない。それが国益に反することでも、アメリカの言いなりのこの国の支配層の精神構造がどうなっているのか理解に苦しむところだ。
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