
ストレイヤーズ・クロニクル(ACT-3)
集英社文庫
本多孝好
2015年5月20日
集英社
638円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
渡瀬浩一郎は、学の体内にある致死性のウィルスを全世界に拡散させようと企てる。ついに〈アゲハ〉は復讐のため、昴たちは亘救出のため、渡瀬のいるシェルターに向かう──。シリーズ怒涛の完結。
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生き抜く力
原作と映画は違った。映画は不本意ながらも人類を救う。原作は人類に自分たちの存在意義を問う形。映画はわかりやすく、原作は考えさせられる内容でした。 「頭を空にして、目をこらせ。耳を済ませ。気配を感じ取れ。襲ってくる爪をかいくぐって、生き抜いてみせろ。知恵を絞れば、手段は必ずあるはずだ」 救われる命など、たぶん、世界のどこにもありはしない。世界にあるのはただ、しぶとく生き抜こうとする無数の命だけだ。 【LAST BEING】最後の生き物。という件名のメール。ファイルを開ける動作でメールの一斉送信というアクションを起こすウィルスメール。世界中に拡散されている。添付されたファイルは人工ウィルスの設計図。ただ肝心なことろはぼかされていて、ウィルスを作るのは難しいけど、ワクチンは作れそうだという。メールの送信者は重篤な自己疾患を引き起こす人工ウィルスのワクチンの作製を勧めている。 ウィルスが存在するかわからないのにワクチンを作れ?馬鹿なと笑う人もいるだろう。だが世界にはそう思わない人もいる。本能的に万が一の時のために作っておこうとアクションを起こす人間もいるはずだ。生き残るために。個体のためだけに生きられる生き物はいない。どんな生き物だって次の世代のために生きるのだから。 メールにこめた人類へのメッセージ。世界から否定され許されなかった自分たちの存在。でもそれでも自分たちは存在していた。自分たちを己の好奇心を満たすためだけに作り出した人間を許すことはできない。だから自分たちは世界を救わない。己の身は己で守ってみせろ。俺たちのように。 【概要】 極度のストレスを与える、遺伝子を操作する、その2つの違うラインで人間の力を超える能力をもつ子どもたちを作ったのは、興味本位を満たすためだけに実験を行った地位を持つ無責任な大人たちだ。 ああ、自分たちは何のために生まれてきたのか。どうしてこんな力を持って生まれてきたのか。力を使うには体を酷使する、だから長く生きられないのに。 自分たちをこんな風にした大人たちを殺していく「アゲハ」。遺伝子操作で生まれた子どもたちだ。施設を自力で抜け出し自分たちのみで生きてきた。生きるために、誰にも頼らず自分たちで道を切り開くグループ。 一方極度のストレスを与えられ生まれた子どもたちは、平和を望み未だに自分たちを作った大人のもとにいて、大人に従う。それは力を使いすぎて起こる「破綻」が起きたときに自分たちを助けてもらうためだ。生き抜くためにその為に魂を売るグループ。 命ありうる限り自らの意思で生きようとする、どうせ死ぬのだと諦め運命を受け入れる。ぶつかり合う2グループ。どちらが強いのか、どちらが正しいのか。 大人の興味本位の思いつきで人生を狂わされた子どもたち。最後に待っているものは、希望か絶望か。
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