女と味噌汁改訂新版

集英社文庫

平岩弓枝

2016年3月18日

集英社

550円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

「はなのや」の芸者、千佳子。彼女に舞い込む様々な人間模様をさりげない料理の腕で解決する姿を通し、昭和30年?40年代の女性の生き様が映し出される。活字を大きくした新装版。(解説/伊藤昌輝)

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wata_yumi

私の名前の由来となった小説家

starstarstarstarstar 5.0 2020年01月28日

ギラギラしたビジネス書や、参考書ばかりと付き合ってきた数年間。だからなのか、弓枝さんのやわらかい日本語が妙にあったかくて。棘はないけどちょっと毒(ウィット)のある、主人公てまりの言葉や生き方にたくさん勇気をもらった。 戦後の新宿界隈。毎日訪れる小事件に悩み、揺れながらも、自分らしく凛と生きる芸者の女性が主人公のお話。男女平等が当たり前の世代に生まれたことが、どれだけ幸せなことか!一方で、(身体が逞しい方ではないから) 女性が「女らしさ」の元に守られていた時代が少しだけ羨ましく美しくも見える。一種類だった幸せや成功の形が少しずつ増えていく...そんな昔のようで今日のことのような話だった。 たとえば・・・糠床ひっかきまわして漬物漬けるけど、漬け方はアレクサにレクチャーしてもらう。空気が綺麗な田舎でアップルウォッチつけてランニング。畳と土の匂いがする縁側で大都会とスカイプミーティングetc うまく言えないけど、昔なら意味不明だった振り幅 、今となっては当たり前。「平成に生まれたことって、人に優しくできる土台が整えられてるってことかも。それなら人にも自分にも優しくおおらかでいよう。」と思えた。 いい意味で距離やゆとりを大切にしていこうと思わせてくれる、ゆとり世代の私にとって大切な大切な一冊になった。

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