ヒア・カムズ・ザ・サン 東京バンドワゴン
集英社文庫(日本)
小路 幸也
2017年4月20日
集英社
814円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
明治時代から続く古本屋を舞台にした“東京バンドワゴン”シリーズは、皆様に愛されてついに第十巻目!さて、今回のお話は、真夏の幽霊騒動、そっと店に置き去りにされた謎の本をめぐる珍事、そして突如湧き起こる我南人引退危機!?や研人の高校受験の顛末など、笑いと涙の全四編。堀田家恒例の全員勢揃いの騒々しい朝食シーンや、初公開の堀田家の正月もお楽しみ。結局、「LOVEだねぇ」!
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騒がしくも懐かしい古書店
【愛こそすべて】 堀田家のすでに亡きサチさんの語りで始まる、毎度おなじみ東京バンドワゴン古書店のお話です。サチさんの古き良き風情ある丁寧な語り口調を聞くと、優しい気持ちでいっぱいになります。 最近は堀田家のメンバーもどんどん増え、 家族以外にも、ご近所さんや幼馴染も、 堀田家を我が家のように思ってくださり、 ご飯を食べに来たりするもんですから、 全員を把握するのが大変になってきましたねぇ。 ひ孫世代も高校受験だったり、幼稚園やら通うようになったり、 ずいぶん騒がしい毎日になってきています。 にゃーたちの老猫二匹との悲しいお別れ、死に際は見せないという猫の行動に涙し。 かわりに、新しい二匹との素敵な出会いにほっこりしたりもありましたよ。 本の中のあちこちに散りばめられた ”教訓” を見つけるたび、 家族の大切さや尊さ、 当たり前の幸せに気がつかなくなっていることに気がついたり、 普段何とも思ってなかったことをすごく考えさせられたり、 たった一言に救われることもあります。 「ラブだねぇ・・・」 その一言で全部収めてしまうガナトさんはすごいですね。 この二冊は、何十年もの昔のサチさんの雅な方々にも関係するらしい秘密!? にかかわることがいよいよ公になる!?かと思っていたのですが、 そこは堀田家、皆さん全力で回避しました。 いざってときに一致団結できる家族は、昨今そうそうない気がしますね。 家族でありながら、他人。 一緒に住んでいるけれどもよく知ろうとしない集団。 ・・・・なんだか寂しいですね。 我が家は、子どもがまだおチビさんなので、 もうちょっと大きくなって自己主張しだしたとき、 どうしようもなく困ったとき、 すごく嬉しいとき、とてつもなく悲しいとき、 一緒にそういう感情なりを感じて、 親という立場、子どもという立場、年齢に関係なく、 ちゃんと相談しあえる間柄であったり、 お互いに支えたり支えられたりする関係であったり、 そんな風になれるよう、毎日精進あるのみです。
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