ユリシーズ 1

集英社文庫(海外)

ジェイムズ・ジョイス / 丸谷 才一 / 永川 玲二 / 高松 雄一

2003年9月30日

集英社

1,430円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

ダブリン、1904年6月16日。私立学校の臨時教師スティーヴンは、22歳、作家を志している。浜辺を散策した後、新聞社へ。同じ頃、新聞の広告を取る外交員ブルームの一日も始まる。38歳、ユダヤ人。妻モリーの朝食を準備した後、知人の葬儀に参列し、新聞社へ。二人はまだ出会わない。スティーヴンは酒場へ繰り出し、ブルームは広告の資料を調べるため国立図書館へ向かう。時刻は午後1時。

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Eugene

ジェイムズ・ジョイス

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3.5 2020年03月06日

大上段に、このレヴューのタイトルに「ジェイムズ・ジョイス」と書いてしまったが、なんの事はない。個人的に、初めて、ジェイムズ・ジョイスを読むぞ!と言う’決意表明’。 ともかく、若き日、原文に少しだけ触れた際、とても日本語には転換出来るものではないぞ、と言う固定観念が出来上がってしまった。 代表作の一つ、こちらの「ユリシーズ」然り。もう一つの代表作、こちらの「フィネガンズ・ウェイク」に至っては、マザータングである米国で、先日レヴューした「神話の力」の著者、ジョーゼフ・キャンベルが、共著で’解説’書的なものを上梓している程。 至る箇所(ところ)、暗喩・隠喩だらけ、一つのシチュエーションで広大な「連想」が頻出、西洋古典が機関銃の様に飛んでくるし、ジョイスの時代にメジャーだった歌・歌劇・詩を初めとした文芸・社会情勢や状況etc.の頻発だ。 しかも、場面やプロット毎に、洒落や意味掛け、また、池内紀さんが書かれているように英語世界独特のしかもジョイス独特の「ワード、フレーズ、センテンス、かかり結び、語源から派生する一語の歴史」(※1)が引っ張り出される。 かててくわえて、ジョイスの作品舞台で彼が脱出しようとして、出来なかった❬アイルランド❭の特殊事情・歴史が、繁出する。(※2) とても、日本語で読めるものではないのではないか?と言うのが、僕の観方であり、ジョイス作品から’逃げ’だった訳だ。 現にこの集英社文庫版の第1巻目だけで訳注が、150ページあまり・・・・。 さて、全18挿話の内、第こ8挿話迄を読んだ段階では、これ以上の感想は控えておくが、やはり’覚悟’は要る、と纏めておく。 ※1 引用:池内紀 エッセイ「ジョイス語積木箱」(集英社文庫「ユリシーズⅠ」第1巻) ※2 q.v.司馬遼太郎「街道をゆく」 30「愛蘭土紀行 Ⅰ」 31「愛蘭土紀行 Ⅱ」 アイルランドの特殊な歴史・民俗・民情etc.は、今や多量の資料があると思うが、感覚とざっとしたその背景を掴むのに最適のものの一つと思う。 →後程、こちらのサイトにも上げておくので、参考とされたし。 Eugene

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