
その扉をたたく音
瀬尾 まいこ
2021年2月26日
集英社
1,540円(税込)
小説・エッセイ
本屋大賞受賞『そして、バトンは渡された』著者の新たな代表作! 音楽と人が生み出す、たしかな希望の物語。 29歳、無職。 ミュージシャンへの夢を捨てきれないまま、怠惰な日々を送っていた宮路は、ある日、利用者向けの余興に訪れた老人ホームで、神がかったサックスの演奏を耳にする。 音色の主は、ホームの介護士・渡部だった。「神様」に出会った興奮に突き動かされた宮路はホームに通い始め、やがて入居者とも親しくなっていくーー。 人生の行き止まりで立ちすくんでいる青年と、人生の最終コーナーに差し掛かった大人たちが奏でる感動長編。 【著者略歴】 瀬尾まいこ 1974年大阪府生まれ。2001年「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年、同作を表題作とする単行本でデビュー。05年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞、08年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞、13年咲くやこの花賞、19年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞。『君が夏を走らせる』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』など著者多数。
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(無題)
人はひととの出会いや触れ合いから、人生の新たなステージへの扉を開くことができるものだ。 自称ミュージシャンの宮路。その実は30を目前に親の仕送り20万で生活する無職のモラトリアムであった。宮路は慰問ボランティアで老人ホームを訪れ、そこで神がかったサックスを吹く介護士・渡部に出会うのだった。渡部とセッションしたい一心で老人ホームに通うようになる宮路。その内、ホームの老人たちとも交流が始まるのだった。老人ホームに入ったことで人生が終わったと思っている水木のばあさん初め入居者は、家族には頼めないことも他人になら頼めると宮路に買い物を頼むのだった。憎まれ口を叩きながらも老人達の買い物を引き受ける宮路の商品選びには、思いやりが表れていた。重度の認知症を患う本庄は、宮路を師匠と敬いウクレレを指導を願うのだった。二人のやりとりの中にも宮路の人の良さや心根の優しさが表れている。 そして、ラストシーン。独りよがりの音楽ではなく、聴衆が満足できてこその音楽である事に気がついた宮路が奏でるギターの音は、彼の新たなステージを開く扉をたたく音であった。
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ただのイキりです。
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sai。m(_ _)m
聴く人に向けられた音楽かぁ〜
宮路はなんで渡部くんのサックスに惹かれたのか? それは、たくさんの人と交わることで培ってきた、聴く人に向けられた音だから。 そうかぁ〜。人に届けるために出す音は、自分のために出す音とは、根本的に違うわなぁ〜。 音楽が好きな僕にはすごくよく響く物語。 宮路と介護施設の老人たちとの交流が楽しい。 ただし、そこには当然ながらツラい別れもあり... でもそんな中で得られたものこそが、次への扉を叩くんやなぁ。 僕の音楽もそろそろ、 次への扉を開かなあかんよなぁ... ...って、何のために??😂 追記)渡部くんは、「あと少し、もう少し」の登場人物らしい。えー、それ先に言うてやー(੭ु ‾᷄ᗣ‾᷅ )੭ु⁾⁾ とゆーわけで、次それ読も。
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