
白夜行
東野 圭吾
1999年8月31日
集英社
2,420円(税込)
小説・エッセイ
悪の吹きだまりを生きてきた男。理知的な顔だちの裏に、もう一つの顔を持つ女。偽りの昼を生きた二人の人生を、“質屋殺し"を追う老刑事の執念に絡めて描く。ミステリーの枠を広げた一大叙事詩。
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儚い
starstarstar 3.6 2022年03月21日
star
お互いに陰ながら支え合っていた。
読後は、事件が解決された達成感や喜びよりも、一種の空虚感、呆然とした感情に支配される。子供の頃の二人を飲み込んだ暗黒の底知れぬ深さと冷たさを思うと、犯罪者とは言え同情の念を禁じ得ません。
作品の叙事詩的なスケール、二人を見舞った運命の救いのなさ、徹底した抑制的表現、読後の余韻の大きさ、それらに読者は圧倒され、打ちのめされます。
明かになった事実の圧倒的な悲劇性は、途中で気づいたけれど心を締め付ける。面白いけれど、悲劇性もふくめると★4にはできない、
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(無題)
starstarstar 3.0 2018年01月29日
舞台は阪神・淡路大震災に始まり、地下鉄サリン事件等までの現実と虚構を織り交ぜて進展する。父の通夜の翌朝に起きた大地震後に、借金返済を強いていた伯父を殺害してしまう水原雅也。ふと気付くと、そばには見知らぬ女が。新海美冬と名乗る彼女に犯行を見られたのか、雅也には確信が持てない。やがて、震災が取り持つ奇妙な縁で美冬と雅也は、まるで共存するように助け合いながら生きて行くことになるのだった。震災後、2人は東京へと希望を抱き上京する。しかし彼らの行く先々で、事件と陰謀が蠢いて行くのであった。やがて、ひとりの刑事が、奇妙な偶然に気付く。どこまでも成り上がるのに生きる価値を置く美冬、その陰で悲惨さを己が生き様として受け入れるばかりか、自らの選択とする雅也に男を感じる。
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もこりゅう
なにかを間違うてる。俺らは何か、まったく違う道に入りこんでしまってるぞ―
なにかを間違うてる。俺らは何か、まったく違う道に入りこんでしまってるぞ― 精密機械を思わせる完成度。そのテクニックが冴える。(本文&このミス2000より引用) わざと読者に誰が犯人かほのめかすような構成でおもしろい。しかし最後の最後に最初の事件の全貌が明らかになる。細かなストーリー構成は圧巻。必見の1冊。でも、最近読んでるやつの根底に流れるテーマが似てるような気がする。
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