
オレの東大物語 1966〜1972
加藤 典洋
2020年9月4日
集英社
1,760円(税込)
小説・エッセイ
「東大は、クソだ」。 長年のタフな論争を闘い抜いてきた文芸評論家の原点は東大闘争、しかしながら大多数の同時代人とは異なり、医学部を中心に華々しく展開したメインストリームに較べれば幾分「地味」な文学部闘争にあった……。 6年間の学生生活で著者がきたした変調、払拭し得なかった違和感とは。 周りを囲む様々な知性との交錯を重ねながら、やがて導かれた独自の結論としての、「内在」から「関係」への転轍。 かつて自身が幕末の尊王攘夷に用いた概念が、ラストでは加藤自身に照射される。 2019年5月に急逝した日本を代表する文芸評論家が、まったく新しい文体で「パンドラの箱」に挑み、骨太な思想の淵源を初めて明かした、唯一無二の青春記。 ◆目次◆ I 1966〜1967 1 入学まで 2 ベビーブーマー世代の一標本 3 オレの修業時代 4 一年目 5 新宿の夏、駒場の秋 II 1967〜69 6 1967年10月8日 7 釜ヶ崎 8 本郷・六月 9 オレの文学生活 10 本郷・11月 11 安田講堂攻防戦 III 1969〜72 12 オレの変調 13 『現代の眼』への寄稿 14 恩地くんの「戦線離脱宣言」 15 就活 16 卒論、落第、ケンカ 17 連合赤軍事件 エピローグ 東大闘争簡単年表(文学部を中心に) あとがき 解説 瀬尾育生 ◆著者略歴◆ 加藤典洋(かとう のりひろ) 1948〜2019年。山形県生まれ。文芸評論家。早稲田大学名誉教授。東京大学文学部仏文科卒。 文学から文化一般、思想まで日本の近現代の幅広い分野で活躍。 『言語表現法講義』で新潮学芸賞、『敗戦後論』で伊藤整文学賞、『小説の未来』『テクストから遠く離れて』で桑原武夫学芸賞を受賞。他の著書に『敗者の想像力』『9条入門』『大きな字で書くこと』など。
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