風祭

P+D BOOKS

八木 義徳

2022年12月8日

小学館

715円(税込)

小説・エッセイ

町の名士と日蔭者の子の愛憎を描く。-自分のいう血のこわさとは、日蔭者の子とその父、というこの血の関係のこわさなのだ。この血ゆえに、かつては全力をあげて拒否しようとした存在を、いまはかえってその血ゆえに“父なるもの”としてわがふところに受容しようとしている。-医者であり町の名士である高峰好之と、その愛人のあいだに生まれた伊作。好之の死後、伊作たちは高峰家とは疎遠な状態だったが、85歳になる母が、父のさみしそうな様子を夢に見るというので、父の墓に参り、その足跡を調べることに。その作業は、恨みに思っていた父と、あらためて向き合うことも意味していた…。第28回読売文学賞に輝いた傑作私小説。

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