神様のカルテ(2)

夏川 草介

2010年9月28日

小学館

1,540円(税込)

小説・エッセイ

信州にある「24時間、365日対応」の病院では、今日も奇蹟が起きる。「一止とハルさん」の新たな物語。

本棚に登録&レビュー

みんなの評価(24

starstarstarstar
star
4.32

読みたい

4

未読

12

読書中

1

既読

183

未指定

128

書店員レビュー(1)
書店員レビュー一覧

ひさだかおり

書店員@精文館書店中島新町店

(無題)

starstarstarstar
4.0
0
2020年01月16日

みんなのレビュー (2)

おか

面白い書は面白い

starstarstarstarstar 5.0 2019年03月13日

このレビューはネタバレ要素を含みます全て見る

Readeeユーザー

(無題)

starstarstar
star
3.2 2018年01月28日

春とはいえ、小春日和にはまだまだ遠い信濃路でありました。一止の妻ハルは高遠へと小彼岸桜の撮影旅行に行っていました。新年度となり、新庄病院に新任の医師・進藤辰也が着任しました。辰也は一止の同窓で、かつて“医学部の良心"と呼ばれていました。しかし、赴任直後の期待とは裏腹に、辰也の医師としての行動は学生時代の彼からは想像できない姿に変わっていたのでした。就業時間どおりに働こうとする辰也には、深い理由があったのです。事情が明らかになるにつれ、辰也を見る周りの目も変わってきますが、はじめから理解を示していたのが古狐先生です。作者は古狐先生にこんな風に語らせています。医療の現場にいて、始めて出てくる言葉でしょう。 「私はね、栗原先生。臆病なだけなんですよ」 「臆病?」  カタカタと小気味のよいキーボードの音とともに、先生の声が続く。 「私の胸の内を占めているのは、熱意とか使命感だとか、そういう美しいものではありません。ただ臆病なだけなんです」  難しい話である。 「私が泊まり込みで働いているのは、自分の判断が間違っているんじゃないか、患者さんの変化を見落としているんじゃないか、抗生剤はこれで正しいのか、そんな風にいつもびくびくしているからに過ぎないんです。とても胸を張って言えるような内情ではありません」 「百歩ゆずって内情がそうであれ、おかげで多くの患者たちが支えられているのは事実です」  古狐先生はかすかな微笑をたたえたまま、首を左右に振った。 「いけませんよ。栗原先生。いつでも病院にいるということは、いつでも家族のそばにはいないということなんですから」  さりげない一言の中に、ずしりと重い何かがあった。その何かを探り当てるより先に、先生はいつもと変わらぬ素振りで、のんびりと立ち上がった。 物語は、こうした医療の現場のテーマを、辰也を登場させて「医師である前に、僕たちは人間なんだぞ」と言わせることで、改めて浮き上がらせてみせます。さらに、人の生死については、厳然とした限界があり、医師の「負け戦」もあるり、その「負け戦」の中で読者は、違った意味の「医師である前に人間」という声を再び聞くことになります。

全部を表示
Google Play で手に入れよう
Google Play で手に入れよう
キーワードは1文字以上で検索してください