
男であれず、女になれない
鈴木 信平
2017年3月27日
小学館
1,320円(税込)
小説・エッセイ / 人文・思想・社会
小学館ノンフィクション大賞紛糾の問題作! 2015年3月9日、当時36才。私は、男性器を摘出した。 「女になった」と言わない理由は、この選択が女性になるためじゃなく、自分になるためのものだったから。だから私は、豊胸も造膣もしないことを選んだ。 「性同一性障害」という言葉が浸透して、「性はグラデーション。この世は単純に男と女には分けられない」と多くの人が理解する時代にはなったかもしれない。けれども私は自分の性別を、男にも、女にも、二つのグラデーションの中にも見つけることができなかった。 男であれず、女になれない。 セクシャリティが原因でイジメにあったことはない。事実はその逆でみんな優しかった。でも、男子クラスになったことを機会に私は高校を中退した。 女性を愛する男性に命がけの恋をして、葛藤し、苦悩して、半死半生の状態に陥ったこともあった。ひたすらに自己否定を繰り返したりもしたけれど、周囲の誰もが私を一生懸命に支えてくれた。 そして社会人である今、多くの人が愛情と親しみを込めて私を「しんぺいちゃん」と呼ぶ。 これは、人生に同性も異性も見つけることができなかった一人の人間が、自らの“性”を探し続ける、ある種の冒険記です。 【編集担当からのおすすめ情報】 第23回小学館ノンフィクション大賞に、まさかの「自分自身を取材したノンフィクション」が送られてきました。 選考会では、「これはノンフィクションといえるのか」「第三者への取材を行なうべきではないか」など、さまざまな意見がでましたが、選考委員の感想に共通したのはただひとつ。 「それでも、この作品は面白い」 小学館ノンフィクション大賞を紛糾させた異例の”自伝的ノンフィクション”は、「性自認」だけが話題の中心ではありません。 どうしてもその道を選ばざるをえない、多くの「マイノリティ」の心の支えとなるはずです。 序章 惰性で生きるには、長すぎる 第一章 無邪気か無垢か、はたまた無知か 第二章 感情の氾濫は、現状への反乱だったのかもしれない 第三章 自覚からの向上心は、試行錯誤と名乗る迷走なのだろうか 第四章 解決策のない事象に対する、決着の理論 第五章 存在の確認は、過去と未来の在り方を証明する 第六章 それでも、ハッピー量産体制
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