
結愛へ 目黒区虐待死事件 母の獄中手記
船戸 優里
2020年2月7日
小学館
1,540円(税込)
小説・エッセイ / 人文・思想・社会
彼女は、あなただったかもしれない。 2018年3月、東京都目黒区で当時5歳の少女、結愛ちゃんが息絶えた。十分な食事を与えられておらず、父親から暴力を受けていたことによる衰弱死だった。警視庁は傷害容疑で父親を逮捕。6月に父親を保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕する際、母親・船戸優里も逮捕する。 本書は、2019年9月、第一審で懲役8年の判決を下された母親が、罪と向き合いながら綴った悲しみの記録である。 〈2018年6月6日、私は娘を死なせたということで逮捕された。いや「死なせた」のではなく「殺した」と言われても当然の結果で、「逮捕された」のではなく「逮捕していただいた」と言った方が正確なのかもしれない〉 〈結婚式直後のころと思う。結愛が床に横向きに寝転がっていた時、彼が思い切り、結愛のお腹を蹴り上げた。まるでサッカーボールのように。私の心をおおっているものにひびが入り、ガラガラと音を立てて崩れ落ちた〉 〈私は、正座しながら説教を受け、それが終わると「怒ってくれてありがとう」と言うようになった。(略)私にとって説教とは叱られて終わりではなく、その後、彼に納得のいく反省文を提出し、許しをもらうまでの流れをいう〉 【編集担当からのおすすめ情報】 虐待事件の当事者が、手記という手段で、家庭崩壊の過程や苦悩を綴るのは、極めて珍しいことです。 なぜ、夫の暴力を止めることができなかったのか。 なぜ、過酷な日課を娘に強いたのか。 なぜ、やせ衰えた娘を病院に連れて行かなかったのか。 なぜ、誰にも助けを求めなかったのか。 その答えが本書にあります。 手記を読めば、船戸優里被告は、娘の虐待死において加害者でありながら、夫の執拗な精神的DVによって心がすり減らされていった被害者であるという事実に気がつくはずです。 本書には、虐待事件を精力的に取材してきたルポライターの杉山春氏の解説、そして公判前に優里被告を診断した精神科医の白川美也子氏の診断書(意見書)も巻末に収録しています。手記と併せてご覧いただければ事件の背景が深く理解できると思います。 本書を通じて、児童虐待とDVの実相を知っていただくことで、こうした悲劇が今後二度と起こらないようにすることが筆者、そして出版社の心からの願いです。 出版にあたって 大谷恭子(弁護士) プロローグ 第1章 結愛が生まれた日 第2章 虐待 第3章 上京 第4章 深い闇から 第5章 生きて償う 第6章 裁き エピローグ 解説 見えないDVと届かないSOS/杉山春(ルポライター) 関連年表 巻末資料 意見書/白川美也子(精神科医)
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