音楽は嫌い、歌が好き

小学館文庫

玉木正之

1998年12月31日

小学館

565円(税込)

エンタメ・ゲーム / 文庫

あらためて考えてみると、「歌」とは、じつに不思議なものである。それは、ただの喉のふるえにすぎない。声帯のつくりだす空気の振動にすぎない。高い音や低い音、大きな音や小さな音が組み合わされて、ただ空気を揺すり、鼓膜を揺すっているだけのものにすぎない。ところが、そのただの喉のふるえに、わたしたちは激しく心を動かされる。単なる空気の振動に、心が動かされる。なぜか、しみじみと心がいやされたり、思わず目頭が熱くなったりする。歌詞の内容どころか、空気の振動を伝えてくれる鼓膜の存在すら忘れ去り、心を直接わしづかみされたような気分になる。

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