教場
長岡 弘樹
2015年12月8日
小学館
693円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
希望に燃え、警察学校初任科第九十八期短期過程に入校した生徒たち。彼らを待ち受けていたのは、冷厳な白髪教官・風間公親だった。半年にわたり続く過酷な訓練と授業、厳格な規律、外出不可という環境のなかで、わずかなミスもすべて見抜いてしまう風間に睨まれれば最後、即日退校という結果が待っている。必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじきだすための篩。それが、警察学校だ。週刊文春「二〇一三年ミステリーベスト10」国内部門第一位に輝き、本屋大賞にもノミネートされた“既視感ゼロ”の警察小説、待望の文庫化!
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警察に向いているのは?
【君には警察学校を辞めてもらう】 あきらめろ。君には向いていない。 いつにする?明日か、明後日か。何ならいますぐでもかまわんが。 教壇に立つなり放たれた言葉。 そして渡された退学届け。 警察官に憧れてと言うようでは先が思いやられる。 むしろ、警察官に文句があるから警察官になった、 そんな学生の方が、ここに向いている。 白髪に鋭い目つき。教官代理としてきた風巻公親。 警察官に向いていないと判断した生徒には容赦なくクビを宣告する。 それが風間キミチカのやり方だった。 そこで辞めてしまう者。 そこで歯を食いしばって抗う者。 追い詰められ自分に負けたものは学校を去り、 挫折や修羅場を経験しながらも乗り越えたものは残る。 風間教場、第三教場は、そういうところだ。 君にとって警察学校はどんなところか。 きまぐれにある生徒に質問してみた。 篩(ふるい)ですかね。 警察官になれるものを分別する篩。 その篩に残ったものだけが警察官になれる、警察学校とはそういうところだと思います。 同じ質問を違う生徒にしたら同じ回答が返ってきた。 誰に嵌められようが、嫌われようが、おれは二度は落ちません。篩から。 本当に強い者なら、いくら打撃を食らおうが、細い網線の上に足を踏ん張って、篩から落ちずに勝ちをもぎ取るものだから。 実に面白いものだと思った。 こういう奴らが警察官に向いている。 半年間の警察学校で離脱するものは本当に少なくはない。 その反面、 卒業間際になって体調不良に陥る学生も少なくはない。 特に入学当初から優秀だった学生ほどそうなる。言い換えれば、やすやすと学校生活をこなせるがために、自分を追い込む経験を積めなかった生徒ほど、そうなる。実践に向けての緊張で固くなってしまう。それを隠そうとして、現場に出ることが楽しみであるとか、現場で実践を早く積みたいとか、自信のなさが気負いとなって出てしまう。 逆に、入学してから胃が痛むくらい追い詰められた経験があるものほど、強い。とことんまで追い詰められて、本当に成長した者の卒業最後の言葉は、淡々とエピソードを綴っておしまいになる。それなりの修羅場なり挫折なりを、きっちり経験してきたからだろう。そういう者は以前に比べ顔つきや雰囲気が、かなり変わっていっているはずだ。 その反対が君だよ。 警察官という仕事には度胸がかかせない。 ギリギリの戦いを経験できなかった人間にはそれがないから、第一線では使い物にならない。 辞めさせるのが本人のためだ。 あきらめろ。君には向いていない。 いつにする?明日か、明後日か。何ならいますぐでもかまわん。
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(無題)
ミステリとしては大したことない。せっかく舞台が全部同じ場所で、登場人物も被っているタイプの連作短編なのに、全体を貫く大きな謎、みたいなものが何もなくてつまらない。 ただ、警察学校っていう題材そのものは面白かった。上下関係が厳しく、理不尽な規則が大量にある学校での半年間の生活。毎日日記を2000字書いたり(しかも嘘を書いたら退学)、携帯はとりあげられるし、体罰は日常茶飯事。すごい。 若干やりすぎ感?もあり、どこまで本当なんだろうなーとは思った。 生徒同士の恨み合いから発生する事件も、リアリティに欠ける気がした。純粋なエンタメとしてさらっと読ませるなら登場人物をもうちょい減らしてほしいような。
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