サマードレスの女たち

アーウィン・ショー / 小笠原 豊樹

2016年6月7日

小学館

913円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

無類に面白い短篇小説選集 1930年代の大不況時代、そして第二次大戦、さらには傷だらけの戦後を背景に、アーウィン・ショーは数多くの短篇小説を書いた。もっとも有名な「サマードレスの女たち」(「夏服を着た女たち」)は「ニューヨーカー」に掲載され〈都会小説〉の名作として日本でも多くの読者を得てきた。しかし、時代順に配列され、まるで長篇小説のように編集された本書を読むとまったく別の像が浮かんでくる。 三十年代のアメリカ人の群像(タクシー運転手、保安官助手、フットボール選手など中産階級以下の民衆)が生き生きと描かれ、第二次大戦下の兵士たちは困憊し、惑乱している。そして戦後ーー最後に収められた「いやな話」はまるで悪化した「サマードレスの女たち」のようだ。 《「時代」の歩みが、この作家の鋭敏なレンズを透過して屈折し、現実の情報よりも遥かに現実的なかたちで、あなたの胸に像を結ぶだろう》 劇的な構成力と、無類に面白い筋の展開を堪能できる傑作短篇集成、待望の文庫化! ●装丁/平野甲賀

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

これは嬉しかったな。高校か大学の頃この短編集を買って何度か読んだんだけどいつの間にか処分してしまって、また読みたいな、とずっと思ってた本。 自分が持ってたのは「夏服を着た女たち」というタイトルだったんだけど表題が違ってたんだな。あっさりと図書館で発見。 タイトル作は簡単に要約しちゃうと「好きな女性と二人で街を歩いていて満ち足りてるのにすれ違う素敵な女性をついつい見てしまう」という一歩間違うとあるあるネタになってしまいそうな話が作者の手にかかると小粋で奥行きある作品になっている。 他は大恐慌時代や第二次大戦を舞台にしたものがこんなに多かったっけ、という印象。どれもこれもさらっと読めるけど重たい内容。やはり素晴らしい作家。そして若い頃は多分違う読み方してたな、俺(笑)

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