狗賓童子の島
飯嶋 和一
2019年9月6日
小学館
1,210円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
弘化三年(一八四六)日本海に浮かぶ隠岐・島後に、はるばる大坂から流された一人の少年がいた。西村常太郎・十五歳。大塩平八郎の挙兵に連座した父・履三郎の罪により、九年に及んだ親類預けの果ての「処罰」だった。十六歳になった常太郎は、狗賓が宿るという「御山」の千年杉へ初穂を捧げる役を、島の人々から命じられる。下界から見える大満寺山の先に「御山」はあったが、そこは狗賓に許された者しか踏み入ることのできない聖域だった。やがて医師になった常太郎は、島を覆う幕末の狂乱に巻き込まれていくー。第19回司馬遼太郎賞受賞作!
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