ぎょらん

漫画みたいな小説だなっていうのが第一印象です。映画みたいだなとか、ドラマみたいだなって思う小説もありますが、この小説は漫画みたいでした。ファンタジーであれば稚拙な私には漫画に思えるのかもしれません。 町田そのこさんの作品が好きですが、今のところ空ごはんが一番好きです。この作品は現代が舞台ですがどうも、タイトルにある「ぎょらん」というものがピタッとはまりませんでした。 ただし、町田そのこさんの作品らしく人間の醜さや悍ましさを感じさせつつ、優しく大きな愛が見守っている感じは好きでした。 死にたいと考えることや殺したいと考えることも時にはあります。ただ、人も自分も物も殺したり壊したらダメだと思います。皆が深く傷つきます。人はやがて死に、物はいつか壊れる、放っておけば良いのだと思います。気持ちも含めて放っておけば良いのです。放っておかないからややこしくなるのです。 葬儀屋で勤め出した朱鷺くんのキャラクター、仕事ぶり、考え方、生き方が好きです。友人のためを思い、妹のことを思い、母のことを思い、人のことを思う。沢山の人に目を向け受け止め、良い方向に導いてくれるそんな存在になりたいと思いました。放っておけないようではありますが。。。

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