金閣寺

新潮文庫

三島 由紀夫

2020年10月28日

新潮社

825円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

「美は…美的なものはもう僕にとっては怨敵なんだ」。吃音と醜い外貌に悩む学僧・溝口にとって、金閣は世界を超脱した美そのものだった。ならばなぜ、彼は憧れを焼いたのか?現実の金閣放火事件に材を取り、31歳の三島が自らの内面全てを託した不朽の名作。血と炎のイメージで描く“現象の否定とイデアの肯定”-三島文学を貫く最大の原理がここにある。金閣を焼かなければならぬ。破滅に至る青年の「告白」。最も読まれている三島作品。国際的評価も高い。映画・舞台化多数。

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Yuka

完璧主義、自己愛、半端のない執着……

-- 2024年05月02日

昔の小説を読むには時間がかかる。 だからドラマやYouTubeで解説を見た方が早いのだが、三島由紀夫さんが知りたくて。 完璧主義、自己愛、半端のない執着…… 疲れるだろうな。しんどいだろうな。 「美」は私の人生の概念にそれほどなかったが、「コンプレックスの対称」としてみれば、この主人公のようにいつでもどこでも線で結びついて出てくる訳ではないものの、誰にでも多少あるものだと思った。 だができれば「そんなのは執着だよ」と流して金閣を燃やさない「強さ」と言われるものを備えてほしい、それはそうでなければ今の世の中ではどうしても生きづらいから。

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Readeeユーザー

きれいな文章

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3.6 2022年08月27日

主人公の幼少期からの感受性の豊かさが世間のあらゆる障害から受ける痛みを一身に受けて金閣寺に火を放つという行動に移らせたのだと感じた。登場人物も一様に曲者揃いで誰がどうということはないが個人的に皆好きになれないし、自身の周囲にいて欲しくはないなと思う。ただ改めて作者の語彙力、表現力、文章力に圧倒された。高校生の推薦図書になってるみたいだけど、内容はあまり薦められないと思う。なぜなら性的な表現や犯罪を肯定的に解釈されないかと危惧するから。

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