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starstar 2.4 2018年02月27日
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梶井基次郎の檸檬が、ブクレコの16位にランクされていたので読んでみた。7歳で急性腎臓炎で死にかけ、ずっと重度の結核に脅かされていた梶井基次郎の病的異様な感覚に、引きこまれてしまう。日常的な危機をありのままに綴って、独自の文学の芳香を放っている。「えたいの知れない不吉な塊りが私の心を終始圧えつけていた」と始まっている。この塊りのせいで、かつては美しいと思えていた花火の束や色硝子のおはじきや石鹸の包み紙を見ても、いまや何の反応もできなくなっている重圧から逃れるために「私」が京都の町を散歩するという話である。ふらりと丸善に入り、かつてはそこにどぎまぎするように陳列されていた香水壜や煙管や煙草や小刀に興奮したものだった。しかし、それに反応できなくなっている自分を見つめながら、その重圧が書棚の書籍にも及んでいることを知って、それらの画本を次々に引き出し、その上に一個の檸檬を置く。「丸善の棚へ黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けてきた奇怪な悪魔が私で、もう十分後にはあの丸善が美術の棚を中心として大爆発をするのだったらどんなに面白いだろう」という結末になる。最終行は、「そして私は活動写真の看板画が奇体な趣きで街を彩っている京極を下って行った」。
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yamaura
なんでもない、荒んだ美しい日常を
丸善に檸檬を置こう。 正直自分にはこの文章の美しさ、秀逸さを感じ取れなかった。少し荒んだ日常が、淡々と、しかし色彩豊かに描かれる。全体的に淡いが、檸檬の黄色だけ鮮やかに。
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