
カンガルー・ノート
新潮文庫 あー4-24 新潮文庫
安部 公房
1995年1月30日
新潮社
693円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
ある朝突然、“かいわれ大根”が脛に自生していた男。訪れた医院で、麻酔を打たれ意識を失くした彼は、目覚めるとベッドに活り付けられていた。硫黄温泉行きを医者から宣告された彼を載せ、生命維持装置付きのベッドは、滑らかに動き出した…。坑道から運河へ、賽の河原から共同病室へー果てなき冥府巡りの末に彼が辿り着いた先とは?急逝が惜しまれる国際的作家の最後の長編!
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Julien Sorel
記録
病床に伏した安部公房が、見た夢を記録したような断片的で脈絡のない文章。しかし、一貫して死について描かれているのは、やはり自身の死期を悟ってのことでしょうか。 個体としての死に向う中で、安部の高潔な精神と研ぎ澄まされた感性を垣間見ることができる作品
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