風の男 白洲次郎

新潮文庫

青柳 恵介

2000年8月31日

新潮社

539円(税込)

人文・思想・社会 / 文庫

日本国憲法誕生の現場に立会い、あの占領軍司令部相手に一歩も退かなかった男。常に活眼を世界に注ぎつつ、わが道を行く天衣無縫の気概。物事の筋を通し、自説を枉げぬ強靱さ。と同時に、内に秘めた優しさ、しなやかさ、ユーモア。端正な面立ち、洒落た身なり、寸鉄の片言…。正子夫人をはじめ、この男に魅せられた人々の「証言」から蘇える「昭和史を駆けぬけた巨人」の人間像。

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青柳恵介「風の男 白州次郎」

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2019年12月02日

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Readeeユーザー

(無題)

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3.3 2018年01月28日

日本で始めてジーンズを履いた男とのエピソードがある白洲次郎。白いTシャツとジーンズを着てディレクターチェアに腰掛ける姿が表紙を飾っています。サンフランシスコ講和条約締結のために向かった飛行機の中ではTシャツとジーンズ姿を通した白洲がタラップを降り立つ時は、戦後のまだ貧しい服装が当たり前の中で一人颯爽と紳士然とした格好であったそうです。また、晩年軽井沢ゴルフ倶楽部の理事長の時は、TシャツにPlay fastと書いたそうですが、これを着てラウンドしたかどうかはどの書にも書かれてはいません。英国発祥のゴルフは、服装のマナーには事の他うるさく、襟の無いシャツは厳禁ですので、白洲次郎がTシャツでプレイしたとは考えられません。 本書は白洲次郎評伝ではまず第一との評価が高い書であります。夫人の白洲正子が前書きで書いていますが、著作を残さなかった白洲次郎の「語録」を収録しようと、その作業を青柳恵介に依頼し、青柳が丹念に取材した成果が本書です。内容は特に脚色せず、事実を事実として書いていますから、タイトル通り、いつもどんなときでも、どんな相手にも「風の男」だった、そういう男が本当に居た、ということを印象付ける、そんな書き方がされています。白洲次郎を語るのにどこから語ればよいか、分かりません。なぜなら、この人の注目すべきところは終戦連絡事務局次長になったとか、東方電力会長になったとかの「功績」ではないんですね。いってみれば、生き方・態度・言葉そのものが白洲次郎を体現し、そして、白洲は出会ったたくさんの人々に愛されたという事実だけなのでしょうね。 さて、かねてからの私の疑問、プリンシプルを貫いた白洲次郎が天皇制の存続に否定的であったにも関わらず、終戦処理の第一目標を国体の護持とした吉田茂の元で働いたのは何故か、また、自らの信念とたがう地位で働かなければならなかった白洲の苦悩はどうだったのかは、本書も答えてはくれませんでした。ただ、「昭和政治経済史」で白洲の証言として昭和天皇退位論が語られているのを発見して我が意を強くしました。 白洲次郎ものはこれで最後にしますので、吉田茂と白洲次郎の関係を自分なりに結論づけておきたいと思います。その関係は一言でいえば「惚れた」という事に尽きるのでしょうね。世間の常識から言えば、いくら能力があってもこんな変わり者は敬遠されて当然です。ところが、吉田茂は使いこなした、白洲から言えば「士は己を知るものの為に死す」の心境だっのかも知れません。何しろ明治の男ですもの。

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