何者
新潮文庫
朝井 リョウ
2015年6月26日
新潮社
737円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたからー。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて…。直木賞受賞作。
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みんなのレビュー (15)
自分をよく見せたい
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(無題)
「だって、短く完結に自分を表現しなくちゃいけなくなったんだったら、そこに選ばれなかった言葉のほうが、圧倒的に多いわけだろ」 「だから、選ばれなかった言葉のほうがきっと、よっぽどその人のことを表してるんだと思う」 読み終わってから気がついたけど2013年の直木賞だった。そこまで期待せずに読み始めた分衝撃が強かった…。 はじめは主人公拓人って自分に似てるなあと思って。理香も隆良もギンジも、あ〜こういう意識高い人いるよなってバカにしながら読み進めていたからこそ、サワ先輩の言葉でドキッとしてしまった。で、理香の台詞でもう打ちのめされてしまったな…やめてくれよと思ったところで@NANIMONOはキツすぎる。しんどい。 この構成にした朝井さん天才だなと思った。改めて思うけど就活大変そうだな…ほんと怖いなあ。
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期待しないで読み始めたけど
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大学一年生読むべし
レールに導かれるまま進めば良かった学生時代から、自分一人で何もかも決断し進まなくては行けなくなる分岐点、就職活動のお話。Twitter活用してる5人組の男女の裏表の差の大きさにビックリした。 自分は全く就活してないんでそういう世界を色々知れて良かった作品。就活しなかったのは大卒でたら家業を継ぐ予定だったかから。爺ちゃんに小学生の時から会社のこと色々厳しく叩き込まれてたのに、大学四年で爺ちゃんが急死。継がせる気まんまんだった爺ちゃんいなくなるわ、親父に娘には家業を継がせる気はないと言われるわ、おいおい就職もう皆終わってる時期だぜ!?何もやってねーどーすんだ!?私がタイミングが悪いのか。いっそ男だったら爺ちゃん死んでも従兄弟に会社を奪われずに家業継げてたのになぁ‥と今でも思う。爺ちゃんの口癖が「男に負けるんじゃない」「これで男なら良かったのになぁ(溜息)‥」だった、毎日のように言われてた呪詛のように。女をトップに立たせるのはまだまだ受け入れられる時代じゃなかったし中々周囲を納得させるのは難しかったんだろう。友達と遊ばず努力した年数を返してくれよと思った(笑)爺ちゃんよりももっとデカくなって玉の輿を作りたかったんだけどなぁ(笑)女の子のいう台詞じゃないぞ(笑)従兄弟よ、会社デカくしなくていいから潰す真似だけはすんなよ、爺ちゃんが泣くぞ。 なのでキチンと就活した人たちの一喜一憂や苦労なんぞつゆ知らず、スーツ姿で毎日大学に来る人を不思議な人たちだなぁと思い、自分は小さい時から先が決まってるしそれ以外の道はないんだと思ってたから、どっか別世界のお話の登場人物たちように思えて、遠くからただ傍観してるだけだった。まさか直前で橋を外されることになろうとは夢にも思ってなかったけど(笑) 傍観者。どっか拓人くんと似た感じがあったかな。そんな私だからきっと内定もらえない派だっただろうと思われます。実際やってないから真実わからないけど、瞬発力あるけど持久力ないから(笑)結局まだ何者にもなれてない自分がいる。子供にえらそうなこと言えんな(笑) キャストが良さそうなので映画借りて見ようかと思います。
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menchu
(無題)
確か高二の時に読んだ。映画化されており、映画も大学3年くらいのときに見たが、朝井リョウの作品を読みたくなって再読。 就活をテーマにした作品で、朝井リョウらしい、人間の汚い本質部分を表したおもしろい内容だった。親友が内定を取ったはずなのにその会社の2chの悪口を見てしまう自分、Twitterの裏垢でまるで周りを俯瞰した様な目線でツイートする自分。正直、その感情が分からないことは無い自分は、この小説がとても面白く感じた。 印象に残ったセリフは、「人生は線路のようなもの。自分と同じ高さで角度で線路を見てくれるのは大学受験まで。自分以外で自分の人生を一緒に考えてくれる人はもういない。これからは過程を見てくれる人はもういない」という部分。何かを頑張ったとか、なにかに取り組んだとか、そういう自己顕示欲を出しまくる意識高い系は、過程を認めてもらおうとしている。けれどもう学生を終えた今、評価されるのは何を結果として成し遂げたかだ。 結果が伴わない努力には、もう意味は無い。努力を認めてもらうのではなく、結果を認めて貰えるよう努力していきたい。
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