遮光

新潮文庫 新潮文庫

中村 文則

2011年1月31日

新潮社

539円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

恋人の美紀の事故死を周囲に隠しながら、彼女は今でも生きていると、その幸福を語り続ける男。彼の手元には、黒いビニールに包まれた謎の瓶があったー。それは純愛か、狂気か。喪失感と行き場のない怒りに覆われた青春を、悲しみに抵抗する「虚言癖」の青年のうちに描き、圧倒的な衝撃と賞賛を集めた野間文芸新人賞受賞作。若き芥川賞・大江健三郎賞受賞作家の初期決定的代表作。

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Readeeユーザー

純愛の最高峰

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4.6 2022年06月28日

「私」には、愛する恋人がおり、いつも「彼女がパーマ失敗して爆発したみたいなんだよね」等とのろけ話をしている。しかしその彼女は、事故死でもう亡くなっており、その男は、いつも他人が知れば驚愕するような、事故死した彼女の遺体から取ってきた小指をホルマリン漬けにした瓶を持ち歩いている。しかし、それは狂気なのか、愛なのか…。 愛の凄さに圧倒された1番の作品。ラストの主人公の行動なんてもう…。 怒ってもないのに演じたりしてしまうところ、現実逃避というよりは解ってる上での「虚言癖」で、その虚言が気持ちよく感じてしまうところ等、多かれ少なかれは解るところがあるのではないだろうか…。 「遮光」って精神的な意味は何となく予想しながら読み始めてたけど、そんな物理的意味もあったんやっていう…。

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Readeeユーザー

凄い本

starstarstarstarstar 5.0 2019年04月27日

凄い小説だ。負をかかえた主人公。その心の描写にグングン引き込まれる。 負、陰、暗であって「怒」ではない。 「怒」を演じることで意味を模索しているのか。 遮られた光がやがて通り広がっていく様がはっきりと見えた

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