ナニカアル

新潮文庫

桐野 夏生

2012年11月30日

新潮社

825円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

昭和十七年、林芙美子は偽装病院船で南方へ向かった。陸軍の嘱託として文章で戦意高揚に努めよ、という命を受けて、ようやく辿り着いたボルネオ島で、新聞記者・斎藤謙太郎と再会する。年下の愛人との逢瀬に心を熱くする芙美子。だが、ここは楽園などではなかったー。戦争に翻弄される女流作家の生を狂おしく描く、桐野夏生の新たな代表作。島清恋愛文学賞、読売文学賞受賞。

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書店員レビュー(1)
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長江貴士

書店員

桐野夏生「ナニカアル」

--
0
2019年12月15日

みんなのレビュー (1)

toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

ほぼ全作品読んでいる桐野夏生…凄い作家だと思うんですが、人間、特に女性の嫌なところをえぐり出して書いてしまうようなところがあって読後にはちょっと疲れた感じもしてしまう。これは林芙美子の未発表手記の形をとって、戦争下の人々の暮らし、作家がどのように戦争に使われたか、ということが描かれている。巻末の参考文献量も凄く、それでいて小説としてさらっと書かれているところが好ましい。実在の人物なので不倫の話とかここまで書いてしまっていいのかな、とも思ったけど、この作家の作品としてはライトな読後感でした。

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